立ち位置を失わない人 月曜日, 6月 26 2006 

――「Web2.0」という名の新しい高速道路ができる?

重要なことは、量が質に転化するかどうか。いま将棋が上達するための情報は莫大な量がある。でも、情報は情報で単に情報でしかない。それ自体に意味はまったくない。でも、情報1個が100個になり、1000個、1万個、10万個になったときに、全然違ったことが起こるのか。ある瞬間に、10年とか15年かけて養っていた判断力が身についてしまうかもしれない。ただ、それは全然、見えていない。

「ネット社会を生きる奥義」 羽生善治(前編)(1)

このインタビュー、将棋の世界とWeb2.0が全然関連してない。羽生氏が「ウェブ進化論」の帯びの推薦文(こういうのなんていうの?)を書いたことから、編集サイドが無理やりこじつけようとしているのがミエミエ。インターネットが将棋をさす人たちに与えた影響は語られているけど、それを流行のWeb2.0に関連付けるには無理がある。

この質問も本当にしたのか? 実際の収録時には違うこと聞いていたんじゃないの?

 「Web2.0」の革命が、ネットの枠を越え、あらゆる世界を揺るがそうとしている。インターネットの登場、そして、進化により、将棋の世界はどう変わったのか。そして、「Web2.0」の時代に、各界のプロはどうすれば生き残ることができるのか。棋士の羽生善治氏に聞いた。

ITバブルを彷彿とさせるこの前説からしてダメダメ感いっぱい。
「『Web2.0』の時代に、各界のプロはどうすれば生き残ることができるのか。」??? (失笑)
Web2.0なんかに関係なく、各界のプロは各界で頑張っている筈。

対照的に羽生氏が語っていることは極めてまっとう。少なくとも「あちら側・こちら側」とか「情報発電所」みたいな意味不明且つ陳腐な造語を用いたりはしない。ヘンな影響を受けて「将棋界のmash upがどーたら」なんて言い出したりしたらアホなのだが、そんなことは一切ない。
何がきっかけで推薦文なんか書く羽目になっちゃったのか知らないが、羽生氏が「ウェブ進化論」を興味深いと思ったのであればそれはそれで構わないし、そして安易に感化されることなく自分の立ち位置を見失わない点に信用がおける。

「ノーチェック」だったのは一体誰か 月曜日, 6月 26 2006 

「株式分割」などを繰り返し、時価総額を急激に膨らませたライブドアの”錬金術”。実は、東証マザーズへの上場を見込んで、同様の手法が2000年4月の上場前から使われていたのでは、との指摘がある。

「誰が<ホリエモンと村上世彰氏の顔写真>を生んだのか 3 」 – 読売新聞 H16/6/24

読売の一面の連載記事の3回目。
創業から3年間は5万円(当時の商法で定められた最低額面)だったオン・ザ・エッジの株価が、上場7ヶ月前の第三者割当増資では300万円となり、その後1 : 12の株式分割を行った上で、上場直前の公募価格は600万円に決まったので、この間に株価は1,440倍に膨れ上がった。当時の当期利益が596万円に過ぎなかったにも拘わらず、「株価が急伸したのは、上場後の値上がり益を見込んでいたのではないかというわけだ。」

ホリエモンは上場前から悪事を働いていたんですよー、とでも言いたげな、よくある「溝に落ちた犬は打て」式の安易な記事である。

まず、株価が過大であったことを示すために当期利益を持ち出しているが、仮に株価に見合うだけの純資産額があったなら必ずしも過大とは言えない(なかったろーけど)ので、正確ではない。経済に疎いシロートが書いた記事である事がこれでバレバレ。株価の算定方法はいろいろあり、法律でこれでなきゃ駄目と決まっているものではない。税法では決まっているが、それでも数種類の方法が定められているので、取得する人の立場によって株価が分かれるし、ここでは税金の話をしているわけではない。

株価は売り手の買い手の合意で決まるものであり、公開してようがしてまいが基本的には同じである。記事はホリエモンが株価を吊り上げたことが悪いかのような書き方をしているが、そもそも買い手がこの価格に納得しなければ増資は成立しなかった筈で、それでもいいと思い人が株を買っただけの話である。
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