今頃になって「The World is Flat」を読んでいる。急遽、時間を潰さねばならない事態に陥り、入った本屋で目に付いたのでつい買ってしまったのだが、ひどくつまらない。読み終わっていないので単なる途中の感想に過ぎないのだが、読み終わらないかもしれない。

小飼弾は「Flatter(追従)なしに、誰もが一読すべき本である。すでに本書の内容は、blogsphereであちこち散見されるし、実際書評も多く出回っている。それでもまだ本書を読んでいない人は読むだけの価値がある。」と言っていたが、最初のパラグラフ「One : While I was Sleeping」を読んだ時点で早くも結論を得たような気になってしまった。

「”Honey,” I confided, “I think the world is flat.” 」に対して「Sure, it is.」と呟いたらそれで終わり。

そのあとは誰でも知ってそうなことが延々と続く。ベルリンの壁の崩壊…PCの普及…Windowsの登場…Netscapeの登場…etc,etc……。学生さんあたりには良いかも知れないが、こっちはうんざりである。

本書で本当に面白いのは、ビル・ゲイツからバンガロールの電話オペレーターに至るまでの、フラット化の最前線の現場の声であり、こうしたことは書評を読んだだけではわからないからだ。

The (Top of the) World Is Flat – 404 Blog Not Found

マクドナルドのドライブインの注文がまったく別の場所にいるオペレーターによって処理されて店にfeed backされているなどの話は面白かったものの、さもありなんと納得できるだけで新鮮な驚きはない。「原文の表現も平易」というのは本当で、非常に読みやすい。実にflatだ。小飼弾に同意できたのはこの点くらい。池田信夫の方が信頼できる。

もしもあなたが、「ブラウザ」とはどういうもので、「モザイク」というソフトウェアが世界をどう変えたかについて、10ページ以上にわたって懇切丁寧に教えてほしいとすれば、この本をおすすめする。それ以外の人にとっては、本書の記述は、その題名のように平板だろう。彼がNYタイムズの多額の出張旅費を使って取材したことのほとんどは、フラット化した世界では、グーグルを使えばだれでも知ることができる。

フラット化する世界 – 池田信夫 blog

全くその通り。outsource先のIndianのお仕事ぶりだってネットで簡単に見ることができる。

Where all of our calls go to.

Outsourced Indian Phone Operator – YouTube

まぁこれはカリカチュアされたものであるがw小飼弾の書評は信用がならないね。彼ほどの人であればここに書かれていることくらいとうの昔に知っているであろうが、貶せば献本は減るだろうしアフィリエイトで稼ぐこともできなくなるから、ウレセンの本を叩くことはしないだろう。かと言って褒めてばかりでも具合が悪いので、あまり売れなさそうな、全体の売上への寄与が小さいと思われるものの中から選択的に本音を吐露しておく程度の戦略であろう。

昨年は「Web 2.0」が大流行したせいか、この本もそれと絡めて語られていることが多かったような印象があるが、どうしてIT業界はいつもbuzzwordや本でつまらない権威付けやドグマを形成するのが好きなのかね。本当に人口に膾炙しているのであればそんなものは大して必要ない筈で、実際は業界が脆弱であることを逆証明しているだけだと思うが、そんなものに踊らされる奴の多いこと多いこと。参考になったのであればそれで構わないが、雰囲気に飲まれて高揚感に浸っているだけで思考停止していると、いつか本格的な詐欺に引っ掛かって高利回り元本保証とか金兌換ナントカ証券なんかを買わされる羽目に陥るであろう。ま、IT好きでなくとも、そういう人はいっぱいいるけどね。

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