タイトルからして嫌な感じがした。

これからの情報サービス産業はどうあるべきだろうか.顧客に製品やシステムではなく価値を提案すること.エンジニアは最新の技術や開発プロセスにキャッチアップして劇的に生産性を高めること.そこで生まれた付加価値がきちんと技術者に還流されること.かかる効率化で生まれた余裕が新しい技術の習得や研究開発に向けられること,その産業に関わる人々が将来性を信じられること.徹夜が続くこともあっても,給料が低くても,目標が明確で展望があり,慢性的でなければ救いがある.先が見えないのに報われないから腐るのである.

未来志向でヒトを大切にする情報サービス産業こそ日本を強くする – 雑種路線でいこう

政治家の演説みたいによくある理想論が並べられているだけで、じゃあ具体的には何をするのかって言えば何も書いてない。

「価値を提案すること」って、今までは何を提案していたの? ここでいう「価値」って何を意味してるの? 「最新の技術や開発プロセスにキャッチアップ」すると「劇的に生産性を高める」ことが出来るんだ。へえ。その技術や開発プロセスって具体的には何? 「劇的」ってのはどの程度なの?

…何も書いてない。

この転換のためには産業構造の改革が不可欠で,企業の再構築も重要だがファイナンスは必ずしも銀の弾丸とはならない.金融の自由化と並行して,新技術の実用化を促すエコシステム(イノベーション・パイプライン)の構築,情報工学教育の見直しや突出した個人が能力を発揮できる環境の整備,起業支援や雇用の流動化,取引構造のアンバンドルと系列に代わる信頼メカニズムの構築など,産業の基礎的なインフラを組み立てなおす必要がある.

未来志向でヒトを大切にする情報サービス産業こそ日本を強くする – 雑種路線でいこう

経済雑誌によく出て来る単語の羅列で箔をつけているものの、やはり具体的な施策は何もない。「産業構造の改革」だってさ。何をどう誰が改革するのさ。「企業の再構築」って一体何を? 

唯一の提案と言えそうな「解雇規制」の緩和(なのかな?)だって、何からどう手を付けるのかについては曖昧なまま。「大企業が自前でヒトを採ると切ることができない」と書いているところを見ると、人材の流動化のことを言っているようだけど、制度として導入されたら中小企業にだって適用されるだろうから、経営基盤の脆弱なそういうところから解雇権の濫用が起こって社会問題になるよ。

これって、分裂君式の釣りネタだろ? 分裂君とは違って文章自体はしっかりしており、改行を多用した幻惑的な物言いや誤謬はないけど、利いた風な理想論と口当たりの良い台詞が並べられているだけで、具体的な中身は何もない。この手の文章は、いろいろ言ってるようで実は何も言ってはおらず、曖昧な理想と根拠のない希望が作り出す雰囲気に釣られて思考停止するタイプの人間に丁度いい餌に過ぎない。

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