MSCBの次は種類株式かよ 水曜日, 5月 30 2007 

公認会計士が「日本で種類株式によるベンチャー投資がメジャーになる日というのは、永遠に来ないのかも知れませんね」等と言っている間に、上場企業の方はさっさと活用しているようで大笑い。

“危ない上場企業”の代表といってもいい、ジャスダック上場不動産会社「ヒューネット」(本社・東京都北区)。
 昨年12月には100億円のMSCB(転換価格修正条項付新株予約権付社債)を決定(今年5月25日現在の転換率は63%)。その前年にも50億円と67億円の転換社債型新株予約権発行(共に転換率100%)と立て続けに資金調達している。そこに持って来て今年3月23日には、前代未聞といっていい業績予想の大下方修正を行い、さすがにもはや新たな資金調達は無理かと思っていたらやってくれました。
 5月25日に発表されたその計画調達資金は実に100億円。いまさら誰から、どんな手法でと思っていたら、相手は米ヘッジファンドで、やり方は「優先株」発行というものだった。 他の“危ない上場企業”でも、話題のMSCBによる調達方法は限界になって来ている。大幅な転換価格の下方修正は株の大幅な希薄化を招き、既存株主の強い反発を買うだけでなく、MSCBの引き受け手が、株価の上がった時に一般株主に小口化して売り払うことをより困難にさせてもいるからだ。
 こうしたなか、「優先株」発行というやり方は、今後、他の“危ない上場企業”でも採用するかも知れないだけに、なおさら注目の方法といえる。

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ヒューネットが使った「優先株発行」という錬金術 – アクセスジャーナル

「今後、他の“危ない上場企業”でも採用するかも知れない」「『優先株』発行というやり方」とは、具体的にはどんな内容のものであるのか、残念ながら金を払っていないので「この続きを読む」事は叶わないのだが、問題の「“危ない上場企業”の代表といってもいい」ヒューネットを追いかけているbloggerさんがいた。

今回引き受けるのは優先株ですから、過去の粉飾決算(架空売上)が事件化して、上場廃止になり、ヒューネットがやばくなっても、少なくとも、残余財産は、普通株の株主を差し置いて、優先的に回収できます。

前期決算で、かなり厳しく、問題含みの債権や物件についての処理を行わせたので、少なくとも、新規に投資する物件・債権さえまともなものであれば、ニューマネーとして突っ込む100億円が毀損するリスクは相対的に少ない訳です。

DBZは、さすがによく考えていますね – ヒューネットの問題を考える

平成19年5月25日付「第三者割当による優先株式の発行に関するお知らせ」に記載されている通り、優先権の内容は累積条項及び参加条項付き優先配当権のようなので、activeinvestors氏の言うとおり、残余財産を普通株の株主に優先して回収出来ることは間違いなかろうが、肝心の残余財産が投資金額に見合うものなのかについては、ちょっと気になる。と言うのも、優先株式の発行総額が10,000百万円であるのに対して、前期末時点の純資産額は2,099百万円しかないと上記発行要綱に書いてあるからだ。これが優先株式の発行によって10,000百万円増える訳だけど、「まともな」企業でないから「問題含みの債権や物件についての処理を行」う羽目になった訳で、そこんとこ信頼できるのかなあ。10,000百万円のうち1,500百万円は短期借入金の返済に使用すると明言されているので、少なくともこの分は新たに稼いでくれない限り回収出来ない。先程「残余財産」という言葉が出てきたので、破綻時を想定してみた場合、一般論で言っても資産の部に計上されているものなんか二束三文で売り払う他なく、雀の涙のような配当しか残らない、というイメージがあるんだけど。

そして、ヒューネットの経営陣が勝手に変なものに投資しないように、定款を変更し、取締役会の決議は、取締役の3分の2以上が出席し、出席した取締役の3分の2以上が賛成しないと行えないようにしました。つまり、自分達が派遣する取締役が賛成しないと決議できないようにして、リスクを管理するようにした訳です。

DBZは、さすがによく考えていますね – ヒューネットの問題を考える

この辺りの動きは、実質完全支配下において、兎にも角にも配当を吐き出させるべくコントロールしていく、ということなんだろう。前述の「特損50億円」についても、態々前期に追加計上するという話であるから、今期の利益には影響させない、という断固たる意思が感じられる。ま、単期損益と配当可能利益とはまた別なんだが。ひょっとすると8,500百万円の使い道も最初から決まっているのかもしれないね。

株価が、優先株を普通株に転換できるようになる2年後にも、現行の25円程度でいてくれれば、それだけで、DBZは100億円の投資に対して100億円の含み益を得る事になります。

DBZは、さすがによく考えていますね – ヒューネットの問題を考える

問題はここだわな。どうやって回収するか。2年間は優先配当と普通配当を搾り取って、その後は普通株式に転換して一気に売り抜け!という作戦だろうか。ま、株数が多いから、先に普通株を借りといて株価とその他の状況を勘案しながらちまちま利益を確定していくのかもしれない。毎月、上場株式数の10%分しか転換請求できないようだし。activeinvestors氏のような人は騙されないだろうが、25円程度の株価は、ちょいと好材料でも出れば直ぐに動かせる水準という気もする。

優先株発行で見せ掛けの高い株価、少ない株式数で発行して、1年半後に普通株式転換でいきなり発行価格が4分の1で株数が4倍だと。

HN「キャッツ」氏の投稿(23回目) – ヒューネットの問題を考える

結局、今回のスキームの肝はここかな。MSCBが市場価格に伴って転換価格を切り下げていける構造となっているのに対して、優先株式は最初から転換価格を設定しているのが違う程度であって、訳もなく安い価格で株を手に入れることが出来るようになっている点は同じ。

だいたいねえ、「A種優先株式1株につき普通株式数4株の割合」という設定は、A種優先株式が普通株式の4倍の価値があると認識しているということだから、A種優先株式は、普通株式の時価の4倍で発行されていなければ理屈に合わないんだよ。最近の株価は25円前後で推移しているようだから、100円で発行するか、あるいは50円で発行して転換割合は1株につき2株でなければおかしい。要するに有利発行と変らない。優先株式の発行スキームについては取引所なり監督官庁が何らかの規制をしていかない限り、同じような手口で悪用を図る者が後を絶たないであろう。

結局、新興市場の創設も商法から会社法への改正も悪賢い連中に利用されるだけ、みたいな印象ばかり受けるのは、そういう話題の方が目に付きやすいからだろうか。産業の育成・活発化にも役に立っている面はあるんだろうけどね。

歪んだ平等主義 水曜日, 5月 23 2007 

公認会計士である以上、このような基礎的なことは当然理解した上で書いたものと想像するが、VBの経営者なんかはそのまま受け取りそうなので、敢えて書く。以下の部分は根本的におかしい。

抜けたメンバーが仮に20%の株式を持っていて、それをそのまま保有し続けるとすると、「他の経営陣ががんばったから上場までこぎつけたのに、初期に抜けたやつが大量のキャピタルゲインの恩恵にあずかるというのは『やめ得』じゃないか」ということで、残されたメンバーとしても納得しがたいところ。

「仲間で始めるベンチャー」と取得条項付株式 – isologue

もしもこのような感想を抱く「メンバー」がいたとすれば、そいつらは出資者と経営者の区別がまるで付いていない。株主はその企業に金を出した人間に過ぎず、金を出しただけで十分にその権利と義務を有する。その立場は他の経営者あるいは従業員といった立場とは別個に独立して存在する。であるから「抜けた」以上は頑張る必要など全くない。当然にその義務もない。何もしなくとも、株主と言う立場において「大量のキャピタルゲインの恩恵にあずかる」ことに何の問題もない。仮にその企業が倒産して株式の価値が0になったときは「やめ損」なのか? そんなことはないだろう。出資した分の資産を失うに過ぎず、それは辞めたか否かとは関係がない。

現役の公認会計士が例題を仮定するからには、このような学生サークルのノリで経営を行っているVBが実際に多いのであろうと推測できる。社会に出てビジネスをする以上は、会社法と言う制度に則った考え方が出来なければ駄目であろう。あいつ何もしていないじゃないか、などという愚痴は、取締役を辞任した相手にはまるで通らない。「~ちゃんはズルイ」という小学生の陰口となんら変るところがない。そんな理屈が通るなら、株主は皆、経営に参画したり従業員として働かなければならなくなってしまう。「所有と経営の分離」という根本原則を理解していない。

これに納得できない人は、「労働は尊いもの」という社会的通念と、なんとなくお金は汚いというイメージに支配されているのであろう。しかし、労働が尊いか否かとは関係なく資金力が力を持つのが資本主義の世界であり、下手な労働よりも資金投入の方がよほど効果が大きいという場面は多々ある。資金の着服、お為ごかしの安易なM&Aなどが論外であるのは勿論だが、精一杯前向きに取り組んだとしても(その努力は評価されてしかるべきだが)、結果として失敗であったならば株主価値を毀損したと非難されることが当たり前であることを忘れている。

要するに、この場合における労働=「がんばった」か否かは、取締役の善管注意義務に則って経営資本を適切に運用できたか問われるのであって、エントリの例はうまく出来たようだが、それが株主を非難する根拠とならないことは前述のとおりである。むしろ、嫉妬に駆られて株主の資産を取り上げようとする不当な行為であって、訴訟の対象となってもおかしくないだろう。シェアによっては逆に取締役の任を解任されるかもしれない危険性すら覚悟しておく必要がある。

従って、今回提案されている種類株式を使ったスキームを採用する必要はない(したければするのは構わないが)。「辞めたやつの株を買い取ろう」という発想自体が社会主義的で、資本主義下の制度との間に齟齬が生じるのは明白だ。このような歪んだ平等主義は幼稚で浅ましいだけであり、それがどうしても許せないというのであれば、いっそのこと他の組織形態を取ることを検討すべきであろう。

“eBay exit” 火曜日, 5月 22 2007 

“What do Beanie Babies, Pez Dispensers and troubled Internet companies have in common? They’re all for sale on eBay.”

eBay has become known as a quick and easy way to sell your startup, should you need to. Techcrunch has a nice phrase for this – the “eBay exit”. USAToday notes that “more than 10 dot-coms” have recently put themselves up for auction on eBay.

eBay Startup Sales – Going, going, gone…to the geek in the back! – Read/Write Web

KikoがEbayで身売りしたのは半年くらい前だったか? 以来、幾つかのstartupsの株主が同様の手法で資金回収を図っていたことは小耳にはさんでいたが、既に10社以上にもなっていたとは知らなかった。日本ではVBがヤフオクに出品されるような事態はまだまだ想像出来ない。良くも悪くもアメリカの流動性の高さに改めて驚くほかない。尤も、以下のような事例もあった模様。

Indeed USAToday also recounts the tale of CrispAds auction, which unsuccessfully tried to sell on eBay. It had a minimum price of $90,000, but ended up without any bids. According to USAToday, months later the company sold via a broker for “a few hundred thousand dollars”.

eBay Startup Sales – Going, going, gone…to the geek in the back! – Read/Write Web

Joost raised $45m from Sequoia 金曜日, 5月 11 2007 


Sequoia Capital really really believes in online video. The alpha venture capital firm, having scored nearly $500m on its investment in Youtube, is lead investor in Joost’s gigantic new funding round. The streaming service — which offers authorized video in higher quality than Youtube, but way less variety of programming — announced it’s raised $45m from Sequoia and other investors.

Joost ‘selects’ Sequoia – Valleywag

あー、Mike MoritzがGoogleを辞めたのはこういうことだったのか。

株式価値算定書 金曜日, 5月 11 2007 

昨年の12月13日に証券取引法の企業情報開示に関する内閣府令等(証券取引法施行令の一部を改正する政令および発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令)が改正されまして、MBO等(経営者や親会社が関与するTOBにより、株式非公開化を図る制度)において公開買付けを行おうとする者は、買付届出書の添付書類として第三者作成にかかる株価算定書が要求されることとなりました。

株価算定評価書の開示について – ビジネス法務の部屋

あ、いつの間にかそんなことになってたの。

TOB実務に携わっている方はもうご存知でしょうが、昨年12月よりTOBを実施するに当たり、MBOの場合と、親子間の場合は、第三者の株式算定書を入手していれば、その報告書を開示することになっております。
これは株式評価に携わっていた人間としては大ニュースでした。
だって、他社の株式算定書が堂々と、見れるんですから!

MBO等における第三者による株式算定書の開示(前編)– M&A会計士がゆく

うんうん、そうでつね。という訳で、折角だからM&A会計士さんが列挙した7銘柄のうち一番情報が充実していそうな②旭ダンケの株式価値算定書(野村證券が㈱AD企画に提出したもの)を見てみたのだが…。

殆ど情報がない。

結論しか書いてないので、算定・評価をしたようなふりしてその実エンピツ舐め舐めでテケトーな数字を書き込んだとしても、ハッキリ言って提出された方には分からない(もちろん野村はちゃんと計算したであろうが)。従って何の参考にもお勉強にもならない。

「市場価値平均法による算定結果」は、エラソーな名前が付いてはいるが、過去1ヶ月間の平均値を下限値に、算定基準日の株価を上限値としただけ。こんなの小学生でもYahoo! Financeを見れば出来るわな。チャートなんか挿んで枚数を増やしているが、こんなもの要らん。

「類似会社比較法による算定結果」には、EBITDA、修正純利益、株主資本の3つについて「マルチプル」が並んでおり、採用類似会社も明らかにされてはいるものの、肝心のMultiplierの算出過程については何も書かれていないので、結局は出てきた値を信じるしかない。

「DCF法による算定」に至っては、WACCと実効税率しか載っかっていない有様。「予測損益計算書」も「予測貸借対照表」も資本コストも(CAPMを採用していたとして)β値も何もない。

「ネット有利子負債は、2006年9月末時点の『有利子負債+未積立退職給付債務等-(現預金+有価証券+非事業用資産)』で計算しております。」とあるが、負債コストを計るにあたって資産を引いてしまうのは、やり方としてそれでいいのだろうか。現預金や有価証券のように利息や配当を生むものは差し引いても構わない、というのであれば資本コストを図るときにも同じことをしなければならないのでは? また、そうであれば非事業用資産まで控除する必要はない。

結局のところ、算出過程を逐一追えるようでない限り、何も分からないのでちっとも参考とはならない。内閣府令も添付を義務付けただけで、記載事項までは規定していないのであろうから、仕方ないと言えば仕方ないものの、これでは新株予約権を出すときにBlack-Sholes Modelでやりましたぁ、なんて書いて値段だけ載っけとくのと何ら変わらない。

つまらん。

寝惚けてるんですか? 木曜日, 5月 10 2007 

  • 超整理法ではないですが、メールは着た順番から返信し続ける。貯めるな!
  • ミーティングなど物理的にPCの側にいない場合は上記の理由で返信が早い

小林さん寝ているんですか? など – 小林雅のBlog

あまりにもくだらないので、細かい突っ込みはしないが、マジで「寝惚けてるんですか?」と問いたい。こんな粗雑な脳味噌で企業評価など出来るのであろうか。

TheFunded 水曜日, 5月 9 2007 

At least a few venture capitalists don’t enjoy having their flaws exposed on the site. One VC, Howard Hartenbaum, became incensed after comments said he was “rude, arrogant, slow and vomit-inducing”. Matt Marshall wrote about the incident and said TheFunded was “turning out to be a useless site.”

TheFunded: Venture Capitalist Feedback Site Lets VCs In – TechCrunch

なんだよ、予想通りじゃん…

ダイヤモンド 火曜日, 5月 1 2007 

こんな会社のヒト達が、経営とはなんぞやとか、あるいは「株データブック」で上場企業の財務データを集積していたりとか、、、って、いいのかホントに。

chart-20060623 – 有報作ってても株はテクニカル@PukiWiki

新興市場に気をつけろ!とか言ってた当の会社にも気をつけなければならない模様…ww 上記引用元に生々しい相関図がwwwww

鑑定費用2500万円 土曜日, 4月 28 2007 

一般的にみてTOBに応じることなく、事後の簡易合併手続き(簡易株式交換手続きでも同様)における株式買取請求権の行使による是正が考えられるわけでありますが、しかし株式買取請求紛争の実態を考えますと、カネボウ株主の方のブログを拝見しておりましても、鑑定費用に莫大な費用がかかるところでありますし、(私も読ませていただき、ビックリいたしました)とうてい一般の株主が予納できるようなものではありません。

MBOルールの形成過程を考える – ビジネス法務の部屋

その鑑定費用って一体どれくらい?
リンクがないので勝手に探したんだけど、おそらくこれ。

会社法では「買取請求権」の存在が少数株主保護の金科玉条とされています。しかし、実際に行使するとなると、訴訟費用は過大で、個人株主にとって容易に行使できるものではありません。例えばカネボウの場合、裁判所から鑑定費用として株主側に2500万円もの予納を要求されています。

MBO規制強化を検討 – TOBを拒否したカネボウ株主のブログ

えええええ!? こりゃ法外。カネボウの騒動は興味がなかったので全く知らなかったよ…。

かつては市場で値段がついていたのに、何でこんなにかかるのよ!? 裁判所が要求したって書いてあるから、これは裁判所の判断ってこと? さっさと案件を処理してしまいたいが故の嫌がらせではないかとさえ思えてくる。鑑定って、結局Due Diligenceに近い作業になるわけでしょ? M&Aだのなんだのを扱ってる法律事務所の連中が普段これくらい稼いでるってことなのかなぁ。株価の分らない未上場の会社に対して、欲の皮の突っ張ったそこの経営者が勝手に決めた値段に合わせてDCF使って値段をでっちあげてる阿漕なコンサルだって、この1/10くらいしか請求してないと思うんだけど…。

ついでに以下の部分も勉強になった(想像したことがなかったんで)。

買収者側が用意したTOBに応じた場合と異なり、TOBを拒否して会社法上の買取請求を行なった場合にはみなし配当課税(所得税法25条)がかけられます。この税制のせいで、TOB価格は明らかに安いと考えても税金面を考えるとTOBにやむをえず応じる、との判断に誘導されがちです。

MBO規制強化を検討 – TOBを拒否したカネボウ株主のブログ

あー…。TOBなら譲渡だけど、買取請求は資本の払い戻しだからね…。
やってらんないね、まったく。

いま、少数株主のサイドから考えられることといえば、今後のファンド資本主義の更なる台頭、日本の株式市場が国際的に活性化することが予想されるなかで、こういったルールをきちんと形成することにもファンドが寄与することが、将来的な投資コストの低減につながる、といったことを認識していただくことと、裁判所に向けては、このままだと肝っ玉のすわった少数株主なら株式買取請求で満足できる余地はあるけれども、「やったもん勝ち」の世界でビビッてしまって、強圧的なTOBで満足せざるをえない株主は救済されず、ひいては市場への参加者は限定的に終わってしまうこと、それは最終的には一般国民にとって法による支配が及ばない領域を作ってしまうことにつながることの是非を問い、できるだけ鑑定費用や訴訟負担をかけずに効率的なMBOか否かを判定できる裁判手続の実現(もしくは工夫。たとえば鑑定費用をかけずに、手続きの公正さだけを争うことで、立証責任のバランスをはかり、相対的な決議無効を争えるような形として、その後は当事者間における和解的解決で決着をつけるとか。)をお願いすることが必要ではないか、と思います。


MBOルールの形成過程を考える – ビジネス法務の部屋

そうだよなぁ…。

New structure ? 金曜日, 4月 27 2007 

The buyers are proposing to pay $120 per share in cash, or a 17 per cent premium over Wednesday’s closing value at Harman, which supplies luxury car brands such as BMW and Mercedes with audio and video equipment.

But Harman shareholders will also have the opportunity to buy up to 27 per cent of the equity in the new privately-held company, for as much as $1bn. Such a structure, which had never previously appeared in a large US leveraged buy-out, could emerge as a model for many future deals.

KKR, Goldman seal $8bn Harman buy-out – FT.com

ん? 「which had never previously appeared in a large US leveraged buy-out」だとかいう内容は、買収に際して既存株主にも27%までのシェアを保持する機会を与えるってワケ? 合併じゃなくてTOBの話でしょ? 今までだって応じなければ持っていた分の株は未公開になるだけで保持されていた筈だけど、実質的に何が違うの? 27%までは買い進められるってところだけ? 73%握っときゃ買収後もコントロールは可能と踏んだのか、あるいは全部買い取るってやり方が既存株主の理解を得られにくくなっているのか…。

まただよ 木曜日, 4月 26 2007 

まただよ。また、有名人気取りの技術屋がエラソーに専門外の分野に意見してるよ。自分の畑以外の場所にも意見や感想を抱いたりするのは別にいいし、知識不足から少々間違ったことを言ってもフツーはご愛嬌だが、コイツの場合は何を勘違いしてるのか知らんが「提言」ときたもんだからな。偉そうな事ぶちあげる前に少し勉強してこい。正直むかつく。このテのニセモンがblogには多過ぎる。

今回は、以前のドリコムに関するエントリを逆転させたかのように露悪的な内容。しかし、その「錬金術」とやらは、要するに仕事を与えて成長企業のように見せかけて上場したら株を売り抜けるだけの、誰にでもすぐに思いつく陳腐なもの。で、先に行けば行くほど半可通が露呈してハナシがワケワカメになってる。バカか。

そこで、一千万円を投資してそのベンチャー企業の10%程度の株を取得する。その企業としては、会社の現在価値を九千万円と見てもらったことに相当するので、大喜びだ。
21世紀の錬金術:Web2.0バブルで一儲けする方法 – Life is beautiful

この間覚えたばかりの単語を振り回して「大喜びだ。」wwwwwww 将来C/Fを算定したわけでもないのに、なんでわざわざ「現在価値」なんて言い方してるワケ?? どこに割引計算する必要があるのよ!? 何を割引率いくらで引き直したって言うのかwwww 買う時点の評価が「現在」の「価値」であるには違いないけどさwwwww、フツーそんな言い方する奴はいないってwwww いたら、こいつと同じカッコ付けのバカwwww もしもオレが「オブジェクト指向とはSQLのことである」なんて言ったら大笑いだろ? それをヘーキでやってるのがこいつ。みっともねえったらありゃしない。

そしてマザーズかヘラクレスに上場。会社の現在価値を利益の80倍ぐらい(利益が一億円だったとすれば80億円)に設定し20~30億円程度の資金を調達する。上場前に再度マーケティングのてこ入れをして人気をあおり、初値がPER 200ぐらいの馬鹿げた価格に吹き上げるように持って行き、そこで持っている株を一気に売り抜ける。思惑通りにことが運べば、この時点で20億円近くのキャピタルゲインが得られる。
21世紀の錬金術:Web2.0バブルで一儲けする方法 – Life is beautiful

ここでもまたやっとるwwwww 「現在価値を利益の80倍ぐらいに設定」って何を言ってるのかさっばり分かんねwww 時価総額のことを言いたいのか!? 80倍ってひょっとしてPERのこと?? 素直に、「利益が100百万円のとき株価をPER80倍で評価すると、公開株数は全体の2、3割程度だから、凡そ2,000~3,000百万円程度の資金調達が可能」って言えばいいのに、格好つけて覚えたての専門用語を振りかざすとこういう意味不明な文章になる。

まさか「PER200ぐらい」というのは、投資額「一千万円」が「20億円近く」、つまり200倍になったことに符合させているんじゃないだろうな~。だとしたら投資時のPERは1倍であったことになるが、PER(株価収益率) = Price(株価) / EPS(一株あたり利益)の右辺の分子分母にS(発行済株式数)を乗算して整理するとNP(純利益) = Price * Sとなる(EPS = NP / Sだからね)。右辺はつまるところ時価総額であって、これは投資時「九千万円」であったのだから、それが純利益と同額ってことは、当時から既に「九千万円」の純利益が出ていた、小規模VBとしては割とまっとうな会社ってことになる。「この段階での発注額は二~三千万円ぐらいに抑えて」おいたので、そこから上がる純利益は「九千万円」のうちのほんの僅かに過ぎない筈であるが、果たしてそんなもんで「それでもこの会社にとっては「最大の顧客」となる」ことが出来るのか?? もう前提からして怪しいじゃんwwww

相次ぐ昨今の不祥事を目の前にして自らが属するIT業界に警告を発してるつもりなんだろうが、実は覚えたての金融用語をひけらかしたいだけに過ぎない。したり顔でこんな頓珍漢なこと言って悦に入ってるのが傍から見ると滑稽で仕方がない。日経の「領空侵犯」シリーズを気取っているのか? みんなもっと突っ込めよ。

[ 追記 ]

今頃思い出したけど、去年わが国でもYouTubeが認知されだして著作権が問題視されたときに「引用」とか言い出したのもこいつじゃないか。そのときもしっかり叩いといたけど、昔から思いつきをそのまま口にする奴だったんだなwwww

Your proposal is ugry 水曜日, 4月 18 2007 

とあるIT系企業のCEOの方が、東証証券取引所に対して「提言」をしておられます。

まずは、京都大学のコミュニティサイトのこの書き込みを見ていただきたい(日付に注目)。

1. あ 2006/02/05(日) 22:02:43
2/9に東証マザーズに上場するドリコム、社長が京大卒。
売り上げ2億なのに、公募段階で時価総額150億。
1年前に1500円でばら撒いた株券を76万に設定。
そのばら撒いた相手が売り上げの過半数を占めるという不気味な関係。
社長は1万株ホルダー、時価100億円。
どう見ても売り抜け目的の上場。
大問題になると思われるので監視を。
kyoto-u.com > 談話室 > 議論 > 疑惑のドリコムより引用】

このままでは信憑性の薄い「怪情報」でしかないが、もしこれが真実であるならば、違法な「売り上げの捏造」である可能性すらある(証券取引等監視委員会は、今後のためにもしっかりと調査をする必要があるだろう)。

マザーズへの提言 – Life is Beautiful

引用されているのはドリコム上場時のkyoto-u.comの掲示板のようで、「日付に注目」とのことですが、どのような意味で仰っておられるのかがよく分かりません。上場する前の段階から問題が指摘されていたことを仰ってられるのでしょうか? はい、皆さん既にこの段階でお気づきのようでしたが、それが何か? 中島様はご存じなかったのでしょうか。同社は最近になって業績の大幅下方修正を発表したので、それを切欠として提言をお書きになられたとか?

「信憑性の薄い『怪情報』でしかない」とのことですが、いずれも目論見書等で開示されている情報ばかりであって、別段「怪情報」などといった類の内容ではありません。また、何故これが「違法な『売り上げの捏造』」になるのでしょうか。友好関係を深める為や提携に伴って取引先に株式を保有してもらうことは一般的に行われております。そのような行為は果たして「違法」行為なのでしょうか。またどんな法律に違反していると仰るのでしょうか。所謂「持ち合い」と呼ばれる行為を行っていた企業は、昔から違法行為を行っていたのでしょうか。

「ばら撒いた相手」と書かれた株主の保有比率がどの程度であったのかまでは存じませんが、恐らくは特別利害関係者あるいは財務諸表規則が規定する関連当事者には該当しない程度だったのではないでしょうか。該当したのであれば、その場合には規則に則って開示されていた筈で、それ自体に問題はないと存じます。これは上場審査の問題であって、公正な市場取引の維持を主目的とする証券取引等監視委員会はあまり関係がないかと思われます。失礼ながら、新聞等でよく目にする名称を不用意に混乱して使っておられるようにお見受けしますが如何でしょうか。

マザーズの上場基準に関してだが、

1.売り上げが高々10億程度の企業は上場させない
2.資本関係を持つ企業からの売り上げは明示しなければいけない
3.インサイダーによる株の売却は、上場後数ヶ月(たとえば9ヶ月)禁止する

ぐらいの条件は付け加えるべきであろう。1と2は、売り上げの捏造を防止するためのもので、3は創業者たちによる「売り逃げ」を禁ずるためである。

マザーズへの提言 – Life is Beautiful

東証Mothersや当時のNasdaq Japan、その他の新興市場が創設された目的は「売り上げが高々10億程度の企業」にも資本市場からの資金調達の道を開くためだったのですが、そもそもの趣旨をご理解いただいていないようです。また売上高が「高々10億程度」であると、それが「売り上げの捏造」に繋がるご意見も理解に苦しみます。中島様はどの程度の売上規模であれば「売り上げの捏造を防止」できるとお考えなのでしょうか。売上の規模が「捏造」に対して何を担保するというのでしょうか。期間収益の規模と粉飾行為の間に直接の因果関係はないかと存じます。

「資本関係を持つ企業からの売り上げ」については、前述のように規則・制度が整備されております。それで十分とかどうかは議論のあるところでしょうが、少なくとも、それらが開示を要求しているのは「取引」全般であって、中島様の仰るように「売り上げ」に限定している訳ではありません。「インサイダーによる株の売却は、上場後数ヶ月(たとえば9ヶ月)禁止」するとのことですが、これは上場時の売出を禁止するということになりますね。なるほど、確かに経営者が「売り逃げ」した後に業績下方修正を発表するという事例が散見されますので、これは一理あるかも知れません。しかし、売出を禁止して公募増資のみとするならば、市場で流通する株数が従来に比して減ってしまいます。だからといって公募株数を増やして必要以上に資本を調達するのは本末転倒ですし、資本コストも無意味に上がってしまうこととなりますが、そのような事態が生じる可能性についてはどのようにお考えなのでしょうか。また、Green-Shoe Optionについてはどのような対応をすべきと考えておられるのでしょうか。ともあれ、UIE Japanが上場する際には、決して売出は行わないとの決意表明と受け取れますが、そう理解してよろしいでしょうか。

この手の事件が起こると、「欲の皮が突っ張った投機家が損しただけだ」という言葉を良く聞く。確かにそれにも一理あるが、こんな状況を放置していては、日本の株式市場は投機家とデイトレーダーの「ババ抜きゲーム場」以上のものにはなりえない。一般投資家が安心して株式に投資できる環境を整えることが日本の経済を本当の意味で復活させるためには必須だと私には思えるのだが、どうなのだろう。

マザーズへの提言 – Life is Beautiful

「一般投資家が安心して株式に投資できる環境を整える」ことは大変重要ですが、「投機」も市場における円滑な取引のためには必要です。市場参加者の中には様々な方がおられますが、むやみに色分けするのもどうかと思います。CSS中のクロスサイト・スクリプティングに脆弱性が存在するからといって、javascript言語そのものを禁止しなければならないということにはならないでしょう。要は運用の問題であって、安易に根拠に乏しい規制を強いるのは如何なものかと存じます。失礼ですが、「欲の皮が突っ張った投機家」の方が、中島様よりよほど市場関連の知識に長けていると思われます。本当に「提言」される気がおありであれば、ご自分のblogに書くよりも、直接東証に対して意見書を提出されたほうが効果的なのではないでしょうか。尤も、中島様が仰る程度の内容であればMothersの構想を明らかにした当時から多数頂いておりますが。

以上、東証Arrows広報部でした(大嘘)

大丈夫かグロービス 水曜日, 4月 11 2007 

この前、公募価格が公開前増資の値段を下回る形でIPOを行っていた会社に関する日経の報道について触れたが、既に2月の時点でそれについて書かれていたエントリがあったようだ。そして、それに関連する形で「Pre-IPO」の「投資戦略」について書かれた別エントリがあったので読んだんだが(Pre-IPOの定義は「1年以外に上場することが見えている時点での投資」だそうだ)、激しく頭が混乱するような記述がそこかしこに見られたので記しておく。

上場時の公募価格以下で投資を行うこと。 

Pre-IPO投資の投資戦略 – 小林雅のBlog via 六本木系CFOの「自由奔放に生きよう!」ブログ

当たり前じゃないかwwww  IPOをExitの最有力手段として考えているならあまりにも当たり前のことだ。ましてや、ここで述べられているのは「Pre-IPO」段階での投資であるのだから尚更だ。VCによっては公開しても直ぐには売らないという姿勢のところもあるかも知れないが、未上場投資においては、まずはこれが基本的な線であって、わざわざ書くほどのことではない。問題は、公開直前まで公募価格が幾らになるかなんて分からないし、あたりまえだけど、VCがそれに関与することも出来ないってことなのよ。ご本人も「この投資戦略の課題は、投資した時点の株価 と IPO時の公募価格の差を読むのが難しいこと」と書かれているが、それではどのように評価すべきについて独自のアイデアを披露している訳でもない。従ってここには何も書かれていない。

基準期での第三者割当増資で引き受けた株式は会社法で上場後 180日間の株式譲渡は制限されます。 

Pre-IPO投資の投資戦略 – 小林雅のBlog via 六本木系CFOの「自由奔放に生きよう!」ブログ

会社法のどこにそんなことが書いてあるんだよwwwwww 第何条第何項なの??? これは取引所が決めた上場前規制(例えば東証なら「上場前の公募又は売出しに関する規則」だとか)の話であって、会社法にそんなこと書いてあるわけないだろwwwww エントリの冒頭に「ベンチャーキャピタル業務に従事している方など背専門的に投資を行っている人 を対象としています」なんて書いて、如何にもプロがプロに向けて書く高度な話であるかのように装っているが、自分が素人丸出しでは世話がない。

一番としてはいかに「割安」で株式譲渡で買い取ることができるかがポイントだ。割安とは、公募価格に対して20-50%のディスカントしたくらいの株価のイメージと考えたほうがよい。 

Pre-IPO投資の投資戦略 – 小林雅のBlog via 六本木系CFOの「自由奔放に生きよう!」ブログ

さっき、公募価格を読むのが難しいと書いたばかりなのに、どうやってディスカウントさせようってんだかwww

時価総額の絶対値としてしっかり見るという点と、PERの低さがポイントだ。 

Pre-IPO投資の投資戦略 – 小林雅のBlog via 六本木系CFOの「自由奔放に生きよう!」ブログ

「時価総額の絶対値としてしっかり見る」って、何を? そもそも「時価総額の絶対値」というのがさっぱり分からない。時価総額なんてそのときの株価に発行済株式数を掛けただけのものなんだから、上場して毎日ころころ株価が変わるようになれば、それに合わせて変化してしまう。そりゃ、1日2日では大した変化はないけど、絶対値というのもまた変だ。未上場の段階で言っているのであれば、それは結局pricingの話に過ぎないではないか。

割安というのは20-50%ディスカウントといったような数字のイメージを持つことが重要だ。IPOするから投資するというのは間違いだ。 業績の予想の仕方 や 公募時の株価の予想など、計算式をつくり判断するといった作業が重要になる。公募価格から初値は50-100%アップのイメージだ。どの程度の売買ができるかとか、

Pre-IPO投資の投資戦略 – 小林雅のBlog via 六本木系CFOの「自由奔放に生きよう!」ブログ

「20-50%ディスカウント」して「公募価格から初値は50-100%アップ」ってことは、最大限、400%のアップを見込んでいるということですね?最近は公募割れが増えてきて悩んでいるというのに、この人の頭の中はまさにIPOバブル。それでいて「IPOするから投資するというのは間違い」って言われても、全然説得力ねえべさwww  なんか文章は途中で終わっちゃってるし、「てにをは」がおかしいところが各所に見られるし、酔っ払ってエントリを書き飛ばしているようにしか見えないんだけど??

Invest + Vast = Invast !! 日曜日, 4月 8 2007 

「セントレックスの牡丹と薔薇」(社会の時間1ノ3)とうたわれたKOBE証券は東京に移転してインヴァスト証券になりました。「行動指針はインテグリティ(誠実)」だそうです。

インディーズ証券の攻防 – VC一夜漬blog

あれっ!? それは知らなかったw
株屋がintegrityだのcordialだのと歯の浮くようなセリフを吐き始めたら気をつけたほうがいいw 本当にそうである連中は、それがどんだけ大変なことであるかを知っているから迂闊に口にしたりはしない。

invast.jpg


インヴァスト証券

まれに見るひどい造語だなwwwwwww

堀江と技術とライブドア 土曜日, 4月 7 2007 

数字が作れるのはファイナンス部門だけである。ここでファイナンス部門はすでに買収済みであった証券システムの開発、コンサルティングを手がけるインタートレード*1を売却して売上を作ってしのぐ。まさにこの時、この瞬間からライブドアが売上を作っていく上でのファイナンス部門依存がが始まった。

宮内さんは本書の中でこう書いている。堀江さんは天才的な事業の読みの確かさを持っていた。一方でライブドアはその読みを事業にしていく実力はまだなかった。このギャップが常に存在していたと。

虚構-堀江と私とライブドア – kawasakiのはてなダイアリー via はてなブックマーク – 注目エントリー一覧

おいおいおいwww 小飼弾はいつもLivedoorの技術力を云々しているけど、やっぱり会社全体から見たらそんなこと全然関係なかったんじゃんかよww 苦しくなると子会社を切り売りして利益を増やしていただけ。それのどこが「天才的な事業の読み」なんだよwwww 現実を無視したトップがイケイケで号令かけるもんだから、仕方なく下が無理しまくって破綻するっていう、昔からよくあるパターンに過ぎないじゃんwwww 技術技術ったって、サービスは猿真似ばかり。Flickrそっくりの写真サービスを始めたときには反吐が出たぜ。ありゃライセンス受けたローカライズなんかじゃなかったろ? 「Livedoorなんとか」って名前で提供してたもんな。猿真似が必ずしも悪いとは限らないけど、この会社からは何のポリシーも感じなかったな。別にそれは技術者のせいじゃないんだろうけど。高い技術を持つエンジニアを擁し、既に他人がそこそこ成功させているサービスを展開しても、ファイナンスを弄らなきゃ成長できなかったところに問題があるんじゃないの?

安易にDCFに走るシャチョーさんたち 木曜日, 4月 5 2007 

今日の日経14面(投資・財務1)に「IPO相場低迷 公開前の増資価格下回る」と題した記事が掲載されている。要するに、上場の際の公募増資価格が、それ以前に増資を行ったときの値段を下回っちゃったので、含み損を抱えた株主が発生してしまった、ということだ。いい気味だ、自社の株式に分不相応な値を付けてカネを巻き上げるからこういうことになる、けーけけけ。と笑うのは簡単だが、損をこいたのは前述の通り、恐らくは経営者ではなく、公開前の私募に応じた連中だ。尤も、VCとか金融機関であればプロなのだから同情の余地はない。見通しが甘かったということになる。お友達企業とかそこのシャチョーさんとかなら(フリービットの目論見書にはミキテイの名前が載ってるねw)、どうせお付き合いで深く考えもせずに買ったのだろうから、今後ともよろしくお付き合いをすればよい。一方、従業員は可哀想だ。自分が仕えている経営者を恨むほかない。でも実株でなくストック・オプションなら支出がないので実損もない。ま、費用扱いになっちゃったから、過去の労働が損か…。

なんでこういうことになるのか。記事ではゴルフパートナーを例に、「増資した05年当時はIPO相場が過熱気味で、つられる形で増資価格も高く決まりがちだった」としているが、調べてみると、取り上げられている5社(フリービット、ジーダット、ゴルフパートナー、AQインタラクティブ、ウェブドゥ)のうち、相場に釣られそうな価格の決め方をしていたのは、ジーダットの「純資産方式と類似会社PER方式の併用」のみで、後は全部DCFを利用する形で決められている。

フリービット……………「DCFと時価純資産価格法を勘案」
ジーダット……………「純資産方式と類似会社PER方式の併用」
ゴルフパートナー……………「類似会社比準方式及びDCFを参考に協議」
AQインタラクティブ……………「純資産方式とDCFを加重平均」
ウェブドゥ……………「DCFと類似会社比準方式の折衷」

上記のうち、「類似会社比準方式」は既に上場している企業の中から似通った事業を行っているところを抜き出して参考とするから、相場に釣られることもあろうが、その他は相場とはぜーんぜん関係ない。だから日経の説明は正確ではない。ホントは記者だって分かっているが、話がややこしくなるのでわざと分かり易く書いただけである。しかも、「勘案」だの「併用」だの「協議」だの「折衷」だのと、まことに曖昧な言葉ばかりが並んでいることにお気付きのことと思うが、要するに参考価格が出た後はテキトーに決めているだけの話である(「加重平均」のみ、一見キッチリ決めているように見えるが、よく考えるとこれも分からない。いったい何をもって「加重」したのだろうか)。

さっきから何が言いたいかと言うと、要は、公開前の増資価格の高騰は、相場に釣られてなんかじゃなく、主としてDCFによる弊害が大きいんだよってこと。じゃ、DCFって何さ? って話になるんだが、その前に、あまり詳しくない人のために全体の流れをおさらい。

企業は上場していようがしていまいが、決められた枠の範囲内でいつでも増資を行って資本を増強することが出来る。だから、上場の際に行う公募増資以外にも、それ以前の段階で必要であれば、そしてお金を出してくれる人がいれば株式を発行できる。そのとき、1株いくらで発行するかは原則として取締役会で決定できることになっているので、要するにオーナー企業であればそこのシャチョーさんが自由に決められる(算定方法はいろいろある)。ところが上場の際の公募増資においてはそうはいかない。引受証券会社の意見が入るからだ。取締役会が増資価格を決めるってのは会社法の決まりだから、形式的にここは変わらないのだが、公募増資のときはヘンな価格を設定しようとしても、株式を引き受けて投資家に販売する証券会社の方が難色を示すので、実質的にシャチョーさんが一人で自由に決めるというわけには行かなくなってくる。勿論、証券会社に決定権があるわけではなく、ちゃんと「ご相談」をするんだが。

証券会社にとっては、そのシャチョーさんもお客さんだが、他方ではシャチョーさんが発行しようとしている株式を買ってもらう人たちもやっぱりお客さんだから、一方のみの意見を尊重するわけには行かない。やたらと高い値段を付けて販売しても、上場後に下がりでもしたら他のお客さんの迷惑になるでしょ。そんなこんなで、上場に際して「シンチョー」に決めた価格が、それ以前にノリノリで決めた株価を下回っちゃう場合も出てくるというわけだ。

長くなってしまったが構わず続けるw 「チェック」するだけのU35連中はとっくに他へ行っているだろうwww

で、DCFなんだが、これはDiscounted Cash Flow方式という価格決定方法で、簡単に言うと、①予想業績から予想のキャッシュ・フロー(現金を幾ら稼ぐか)を算出して、②それを現在価値に直し、③株数で割って1株の値段とする、というやり方である。このやり方は、純資産方式や類似業種/会社比準方式などと違い、「想定」だらけなのでやりようによってはどんな株価にでも操作することが出来る。これが株価が高くなりがちな理由であり、また、そうしたいシャチョーさんたちに好まれる原因ともなっている。

世のシャチョーさんたちは、とにかく自社の株価は高い方がいいと思っている。高い方がいいのは、その通りなんだけど、同じ量の資金を集めるにしてもその方が自分のシェアの減り具合が少なくて済むとかいった戦略的な理由なんぞはちっとも理解しておらず、兎にも角にも高い株価を付ければ自分の会社がピカピカになったような気がして単純に嬉しがっている輩が多い。「ワシんとこは、もうすぐ上場するんやでぇ~。だから、このくらいの値段は当然や。アンタにも少し分けてやるさかい、買うときや!!」って感じの手合いが実に多い。確かに株価が高いのは大いに結構なことである。が、実態に反して高すぎるとしたら、これは問題だ。

で、実態に反して株価を高くしたいときによく用いられるのがDCF法というわけなのである。

この方式がどんなに便利なものかを簡単に説明しよう。まず上記の①の部分。予想業績ってのは大抵の場合、その会社が作成した事業計画書中の利益計画を持ってくる。つまりシャチョーさんが鉛筆なめなめで書いたバラ色の未来図でもオッケーなわけwww これをキャッシュ・フローに直すのは、減価償却費を戻して(加算)してやる程度の簡単なやり方で行われていることが多い。前もって固定資産購入時の現金支出を差し引いておくのだが、中にはこれをomitしている酷いものもあるwww ま、この辺りは分からなくても結構。

②の現在価値に直すってのは、要するに複利計算の逆をやるだけ。100万円をX%で何年か回したらY円になるとするでしょ。この場合はY円の方が(バラ色の)予想利益として先にあるので、それをX%で割引計算(discount)を行って、現時点の価値に直しましょうってだけの話だ。ここで問題となってくるのは何%で戻せばいいのかってこと。この値が計算結果に大きく影響してくるから、ここは重要。株だから銀行金利や債券利回りは使えないよ? (後者は部分的に使うけど) 

これについては、理論的に正当と思われれば何を使ってもいいんだけど、実際にはCAPMという有名な公式が使われることが多い。面倒だしここではその必要もないのでCAPMの中身については省くけど、これもパラメータとして置く値をどこから引っ張ってくるかによって結果が大きく変わってくる代物(特にβ値)。酷いのになると、わざわざCAPM使って計算しておきながら、それでは「都合のいい株価」にならなかったのか、何の根拠もなく20%とか30%とかいった数値を資本コストとして採用して、ヘーキな顔をしている奴までいるんだ。(ノД`) これはもう算定とはいえない。

まとめると、そもそもの大前提である予想業績がシャチョーさんらの想定、計算過程においても想定を多用せざるを得ない構造となっており、中には計算すらしないでテキトーな値をでっち上げる奴までいる、ってことだ。

(計算はシャチョーさんにはムリなので、専門の算定屋に依頼することが多い。こいつらショーバイだから、シャチョーさんに「この値段でお願い」って言われたら、結論ありきで過程をでっちあげたりする。計算は横文字ばかり出てくるので一見、高度に見えたりするが、面倒なだけで実は大したことはない。Excelがあれば中学生にだって簡単に出来る。データを集めてくるのがちょっと大変なだけだ)

さあ、こうなってくると、何だってそんないい加減な方法がまかり通っているんだ、って思う人もいるだろうが、それは勿論、それなりに需要と必要性があるからに他ならない。起業直後のVBなんかは実績がないので純資産方式では評価できない、とする意見もある。まだ海のものとも山のものとも分からないのだから、そのまんま評価しときゃいいと思うんだけど、「将来性を加味して評価しなければならないっっ」なんていきり立つバカがごろごろしている。そういうのに限って現実を無視したちょーちょーバラ色なぎ業績予想といい加減な計算で弾いた算定書を持ってくるんだわ。債務超過に陥っていたりなんかすると、純資産がマイナスだから困ったことになるけど、だからと言って矢鱈に高く評価すればいいってものでもない。

株価を買う方のVCなんかはプロだから、DCFの危険性は最初から分かりきっている。それでも、固めに見積もった公開価格で採算が取れると踏んだら、投資することもある。高すぎるよと思いつつ出資してみたけど、上場したらもっと高い値段がついたりして、ウハウハ!となる場合だってあるから、取れるリスクは取る。

一個人にはそのような判断は困難なので、DCFと聞いたら伝統的算定方法で計算されたものよりも高くなってるな、と思っておいた方がいい(そうでないならDCFを使う意味は殆どない)。その後は自己判断で買うのも良し、買わないのも良し。DCFだからといって、必ず損をするという訳ではない。むしろ個人にとって未公開株が手に入るチャンスは滅多にないので、多少の危険を冒すのも悪くはないだろう。あなたが従業員でそれがオプションなら、取り敢えずは無料で貰っとけばいい話だ。

肝心なことは、DCFの大前提となっているのは予想業績なのだから、その通りに利益が推移しない場合、株価は直ぐに合理性を失ってしまう、ということを理解していないシャチョーさんが多すぎる、来期は経常利益が5億上がります、なんて言ってるケースに限って10億の赤字になってしまうことも珍しくないってことだ。IPOブームに浮かれてあまりいい加減なことをやっていると、相場が低迷したときにしっぺ返しを食らう。

[ 追記 ]

去る23日、証券取引等監視委員会は、HS証券の過去の行為が証券取引法違反にあたるとして、金融庁に処分を勧告しました。
金融庁リリース
nikkeiの報道によれば、2004年の21LADYの上場時に、

21LADYの社長は公募価格を設定する際に「時価総額100億円となる価格が妥当」、「最低でも以前発行したストックオプション(株式購入権)を上回らなければならない」などと主張。これを踏まえ、エイチ・エス証券の元公開引受部長は理論値の約2.3倍に当たる想定公募価格を設定した。機関投資家へのヒアリングなどを踏まえ、最終的に公募価格を同1.8倍の11万円とした…

ということが問題視されているそうです。

名古屋は再び火の海に – VC一夜漬blog

あっそうか!! HSに頼めば良かったんだ!!

ちなみに最後に発行した予約権の行使価額は133,333円、公募価額は110,000円。
初値は94,000円で今日の終値は49,950円ですが何か?

…いや、何かが間違ってると思うのですが。

名古屋は再び火の海に – VC一夜漬blog

wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

Fund Bankruptcy 水曜日, 4月 4 2007 

【毎日インタラクティブ】が報じたところによると、九州と山口の元教職員ら約150人から退職金などを集めた約14億円で運用していた福岡市の投資事業組合(投資ファンド)が、出資金を約98.3%減の約2300万円にまで減らしていたことが明らかになった。6月にも組合員総会を開いて清算するとのこと。投資ファンドではソブリン債などへの投資を語っていながら、実際には日本国内の株式運用で大損をしていた。

元教師らの退職金14億円を「運用」した投資ファンド、98.3%減の2300万円に減らす – Garbage News

これは凄いwwww Garbage Newsも言っているが、「どのような取引をしたらそこまで損失が計上できるのか」。98年の設立以来、昨年まで5%の配当を行っていたらしいから、これが全部タコ配だったとしても、5% * 8yrs = 40% だから半分も減らない。総額14億円のうちの残り8.4億、すべてライブドアにでも振っていたのかw その間の国内株式の動向は? ここ見りゃ分かるけど、そんなに下がってる訳でもないのよ。まぁ途中で損切りが相次いだのかもしれないけどね。でもね、よっぽど下手を打たない限り「98.3%減」はあり得ないよwwww

「福岡市の投資事業組合(投資ファンド)」という書き方からすると、福岡市が事業執行組合員(要するに運用する人)だったんだろうか。投資の世界じゃ14億円は決して大きな金額じゃないけど、それでも市の職員がいきなり運用に手を染めるよりは、プロに委託すると思うのがフツー。しかし、プロなら2,3割も下がれば青くなって安全性の高いものに切り替えて様子を見るんじゃないの? 最期の最期になってから切羽詰って強引にケツをまくるやり方には、いかにも小役人的の三セク運営っぽい香りがする。まさか今回も税金で補填したりしないだろうな。

「必要経費や報酬コスト」なんぞといった問題と絡めて、かなーりお粗末な実態が今後明らかになってくるのではないだろうか。つーか、市は調査に掛かれ。マスコミはどんどん追求しろって。

情報の羅列は「まとめ」なんかではない 金曜日, 3月 30 2007 

また、引用ですが、このあたりを読むと、LBOファンドが上場を目指す理由がわかってくるというか、見えてくるというか。
つまり、住宅バブル崩壊の前兆が見え始めた。

バブル崩壊によるリスクが増大し、景気の見通しが不鮮明に

LBOは、非公開化してからIPOしないと儲からない。

しかし、リスクが高まり、IPOするまで待っているのは危険になってきた。

そこで、LBOファンドそのものをIPOすることで、そういったリスクを回避する

ああアメリカ経済が心配だ – Fifth Edition

別に経済なんぞに詳しくなくとも、ごくごくフツーに読んだだけで2つ目までと3つ目以降とが繋がっていない事は直ぐに分かる。住宅バブルが崩壊すると何故LBOファンドがIPOに走るのか。景気が悪くなれば株式市場も低迷するから、というのであればファンドの中身に限らずLBOファンド自体のIPOも困難となる筈である。これはファンドの中身が不動産関連企業ばっかしという想定でないと因果関係が成立しない。The blackstone GroupのHPを見ると、確かにreal estate groupというのがあるが、他にもPrivate Equity GroupCorporate Debt Groupなどがあり、不動産ばかりではないことが分かる。因みにPrivate Equity Groupの項には「Blackstone has invested in over 100 companies in a variety of industries, geographies and economic environments. 」と記載されている。エントリが参照しているウォールストリート日記にも「LBO部門以外にも巨大な不動産投資ファンドやM&Aアドバイザリーの部門などを有するBlackstone」と書かれてある。もしも参照先以外にそのような情報があるなら、それを紹介した上で、エントリの中でその因果関係を説明しておくべきであろう。そうでないと「まとめ」にはならない。

相変わらず他人のblogの内容をあちこちから引っ張ってきただけの、小学生の夏休みの自由研究程度の内容。「まとめてみようと思います」とか言ってるが、単なる羅列に過ぎずちっともまとまってなどいないし、考察と言えるほどのものもない。「まとめ」をリンクの集合と勘違いしており、借りてきた金融関係用語で何か立派な記事を書いたつもりになっているだけだ。改行だらけのスカスカの文章は、情報をばらばらに転記するだけで自分では何も考えてないことを示している。読みやすいエントリを書くためには改行しよう、とかいう記事がどこかにあったが、むやみやたらと文章を分断しても却って読みにくくなるだけであり、むしろ思考停止を促しかねない。分裂君はこれを意図的にやっているが、この人は無自覚である。というか、自らが思考を停止しているのでそうならざるを得ない。改行などしなくとも、意図が明確となっていれば読みやすい文章は書けるし、まっとうな読み手は即座に意味なく改行された文章の中にある欺瞞に気づく。情報をつまみ食いするだけのU35世代の弊害が、ここに如実に表れている。情報があふれ返っているから、何かひとつのものに集中するといった行為が面倒でならず、斜め読みしか出来ない体質が染み付いている。日本のblogosphereの質がなかなか向上しない要因がここにある。

VC Blog 水曜日, 1月 17 2007 

Ask the VC by Brad Feld.

VCInJerusalem by Jacob Ner-David.

If you’re an entrepreneur or wannabe entrepreneur, you gotta read blogs by VCs; it’s not an option.

Two New Must Read VC Blogs for Entrepreneurs – Fractals of Change

取り敢えずメモ。feedに加えておいて、そのうち面白いものがあったら取り上げることとしよう。