安易にDCFに走るシャチョーさんたち 木曜日, 4月 5 2007 

今日の日経14面(投資・財務1)に「IPO相場低迷 公開前の増資価格下回る」と題した記事が掲載されている。要するに、上場の際の公募増資価格が、それ以前に増資を行ったときの値段を下回っちゃったので、含み損を抱えた株主が発生してしまった、ということだ。いい気味だ、自社の株式に分不相応な値を付けてカネを巻き上げるからこういうことになる、けーけけけ。と笑うのは簡単だが、損をこいたのは前述の通り、恐らくは経営者ではなく、公開前の私募に応じた連中だ。尤も、VCとか金融機関であればプロなのだから同情の余地はない。見通しが甘かったということになる。お友達企業とかそこのシャチョーさんとかなら(フリービットの目論見書にはミキテイの名前が載ってるねw)、どうせお付き合いで深く考えもせずに買ったのだろうから、今後ともよろしくお付き合いをすればよい。一方、従業員は可哀想だ。自分が仕えている経営者を恨むほかない。でも実株でなくストック・オプションなら支出がないので実損もない。ま、費用扱いになっちゃったから、過去の労働が損か…。

なんでこういうことになるのか。記事ではゴルフパートナーを例に、「増資した05年当時はIPO相場が過熱気味で、つられる形で増資価格も高く決まりがちだった」としているが、調べてみると、取り上げられている5社(フリービット、ジーダット、ゴルフパートナー、AQインタラクティブ、ウェブドゥ)のうち、相場に釣られそうな価格の決め方をしていたのは、ジーダットの「純資産方式と類似会社PER方式の併用」のみで、後は全部DCFを利用する形で決められている。

フリービット……………「DCFと時価純資産価格法を勘案」
ジーダット……………「純資産方式と類似会社PER方式の併用」
ゴルフパートナー……………「類似会社比準方式及びDCFを参考に協議」
AQインタラクティブ……………「純資産方式とDCFを加重平均」
ウェブドゥ……………「DCFと類似会社比準方式の折衷」

上記のうち、「類似会社比準方式」は既に上場している企業の中から似通った事業を行っているところを抜き出して参考とするから、相場に釣られることもあろうが、その他は相場とはぜーんぜん関係ない。だから日経の説明は正確ではない。ホントは記者だって分かっているが、話がややこしくなるのでわざと分かり易く書いただけである。しかも、「勘案」だの「併用」だの「協議」だの「折衷」だのと、まことに曖昧な言葉ばかりが並んでいることにお気付きのことと思うが、要するに参考価格が出た後はテキトーに決めているだけの話である(「加重平均」のみ、一見キッチリ決めているように見えるが、よく考えるとこれも分からない。いったい何をもって「加重」したのだろうか)。

さっきから何が言いたいかと言うと、要は、公開前の増資価格の高騰は、相場に釣られてなんかじゃなく、主としてDCFによる弊害が大きいんだよってこと。じゃ、DCFって何さ? って話になるんだが、その前に、あまり詳しくない人のために全体の流れをおさらい。

企業は上場していようがしていまいが、決められた枠の範囲内でいつでも増資を行って資本を増強することが出来る。だから、上場の際に行う公募増資以外にも、それ以前の段階で必要であれば、そしてお金を出してくれる人がいれば株式を発行できる。そのとき、1株いくらで発行するかは原則として取締役会で決定できることになっているので、要するにオーナー企業であればそこのシャチョーさんが自由に決められる(算定方法はいろいろある)。ところが上場の際の公募増資においてはそうはいかない。引受証券会社の意見が入るからだ。取締役会が増資価格を決めるってのは会社法の決まりだから、形式的にここは変わらないのだが、公募増資のときはヘンな価格を設定しようとしても、株式を引き受けて投資家に販売する証券会社の方が難色を示すので、実質的にシャチョーさんが一人で自由に決めるというわけには行かなくなってくる。勿論、証券会社に決定権があるわけではなく、ちゃんと「ご相談」をするんだが。

証券会社にとっては、そのシャチョーさんもお客さんだが、他方ではシャチョーさんが発行しようとしている株式を買ってもらう人たちもやっぱりお客さんだから、一方のみの意見を尊重するわけには行かない。やたらと高い値段を付けて販売しても、上場後に下がりでもしたら他のお客さんの迷惑になるでしょ。そんなこんなで、上場に際して「シンチョー」に決めた価格が、それ以前にノリノリで決めた株価を下回っちゃう場合も出てくるというわけだ。

長くなってしまったが構わず続けるw 「チェック」するだけのU35連中はとっくに他へ行っているだろうwww

で、DCFなんだが、これはDiscounted Cash Flow方式という価格決定方法で、簡単に言うと、①予想業績から予想のキャッシュ・フロー(現金を幾ら稼ぐか)を算出して、②それを現在価値に直し、③株数で割って1株の値段とする、というやり方である。このやり方は、純資産方式や類似業種/会社比準方式などと違い、「想定」だらけなのでやりようによってはどんな株価にでも操作することが出来る。これが株価が高くなりがちな理由であり、また、そうしたいシャチョーさんたちに好まれる原因ともなっている。

世のシャチョーさんたちは、とにかく自社の株価は高い方がいいと思っている。高い方がいいのは、その通りなんだけど、同じ量の資金を集めるにしてもその方が自分のシェアの減り具合が少なくて済むとかいった戦略的な理由なんぞはちっとも理解しておらず、兎にも角にも高い株価を付ければ自分の会社がピカピカになったような気がして単純に嬉しがっている輩が多い。「ワシんとこは、もうすぐ上場するんやでぇ~。だから、このくらいの値段は当然や。アンタにも少し分けてやるさかい、買うときや!!」って感じの手合いが実に多い。確かに株価が高いのは大いに結構なことである。が、実態に反して高すぎるとしたら、これは問題だ。

で、実態に反して株価を高くしたいときによく用いられるのがDCF法というわけなのである。

この方式がどんなに便利なものかを簡単に説明しよう。まず上記の①の部分。予想業績ってのは大抵の場合、その会社が作成した事業計画書中の利益計画を持ってくる。つまりシャチョーさんが鉛筆なめなめで書いたバラ色の未来図でもオッケーなわけwww これをキャッシュ・フローに直すのは、減価償却費を戻して(加算)してやる程度の簡単なやり方で行われていることが多い。前もって固定資産購入時の現金支出を差し引いておくのだが、中にはこれをomitしている酷いものもあるwww ま、この辺りは分からなくても結構。

②の現在価値に直すってのは、要するに複利計算の逆をやるだけ。100万円をX%で何年か回したらY円になるとするでしょ。この場合はY円の方が(バラ色の)予想利益として先にあるので、それをX%で割引計算(discount)を行って、現時点の価値に直しましょうってだけの話だ。ここで問題となってくるのは何%で戻せばいいのかってこと。この値が計算結果に大きく影響してくるから、ここは重要。株だから銀行金利や債券利回りは使えないよ? (後者は部分的に使うけど) 

これについては、理論的に正当と思われれば何を使ってもいいんだけど、実際にはCAPMという有名な公式が使われることが多い。面倒だしここではその必要もないのでCAPMの中身については省くけど、これもパラメータとして置く値をどこから引っ張ってくるかによって結果が大きく変わってくる代物(特にβ値)。酷いのになると、わざわざCAPM使って計算しておきながら、それでは「都合のいい株価」にならなかったのか、何の根拠もなく20%とか30%とかいった数値を資本コストとして採用して、ヘーキな顔をしている奴までいるんだ。(ノД`) これはもう算定とはいえない。

まとめると、そもそもの大前提である予想業績がシャチョーさんらの想定、計算過程においても想定を多用せざるを得ない構造となっており、中には計算すらしないでテキトーな値をでっち上げる奴までいる、ってことだ。

(計算はシャチョーさんにはムリなので、専門の算定屋に依頼することが多い。こいつらショーバイだから、シャチョーさんに「この値段でお願い」って言われたら、結論ありきで過程をでっちあげたりする。計算は横文字ばかり出てくるので一見、高度に見えたりするが、面倒なだけで実は大したことはない。Excelがあれば中学生にだって簡単に出来る。データを集めてくるのがちょっと大変なだけだ)

さあ、こうなってくると、何だってそんないい加減な方法がまかり通っているんだ、って思う人もいるだろうが、それは勿論、それなりに需要と必要性があるからに他ならない。起業直後のVBなんかは実績がないので純資産方式では評価できない、とする意見もある。まだ海のものとも山のものとも分からないのだから、そのまんま評価しときゃいいと思うんだけど、「将来性を加味して評価しなければならないっっ」なんていきり立つバカがごろごろしている。そういうのに限って現実を無視したちょーちょーバラ色なぎ業績予想といい加減な計算で弾いた算定書を持ってくるんだわ。債務超過に陥っていたりなんかすると、純資産がマイナスだから困ったことになるけど、だからと言って矢鱈に高く評価すればいいってものでもない。

株価を買う方のVCなんかはプロだから、DCFの危険性は最初から分かりきっている。それでも、固めに見積もった公開価格で採算が取れると踏んだら、投資することもある。高すぎるよと思いつつ出資してみたけど、上場したらもっと高い値段がついたりして、ウハウハ!となる場合だってあるから、取れるリスクは取る。

一個人にはそのような判断は困難なので、DCFと聞いたら伝統的算定方法で計算されたものよりも高くなってるな、と思っておいた方がいい(そうでないならDCFを使う意味は殆どない)。その後は自己判断で買うのも良し、買わないのも良し。DCFだからといって、必ず損をするという訳ではない。むしろ個人にとって未公開株が手に入るチャンスは滅多にないので、多少の危険を冒すのも悪くはないだろう。あなたが従業員でそれがオプションなら、取り敢えずは無料で貰っとけばいい話だ。

肝心なことは、DCFの大前提となっているのは予想業績なのだから、その通りに利益が推移しない場合、株価は直ぐに合理性を失ってしまう、ということを理解していないシャチョーさんが多すぎる、来期は経常利益が5億上がります、なんて言ってるケースに限って10億の赤字になってしまうことも珍しくないってことだ。IPOブームに浮かれてあまりいい加減なことをやっていると、相場が低迷したときにしっぺ返しを食らう。

[ 追記 ]

去る23日、証券取引等監視委員会は、HS証券の過去の行為が証券取引法違反にあたるとして、金融庁に処分を勧告しました。
金融庁リリース
nikkeiの報道によれば、2004年の21LADYの上場時に、

21LADYの社長は公募価格を設定する際に「時価総額100億円となる価格が妥当」、「最低でも以前発行したストックオプション(株式購入権)を上回らなければならない」などと主張。これを踏まえ、エイチ・エス証券の元公開引受部長は理論値の約2.3倍に当たる想定公募価格を設定した。機関投資家へのヒアリングなどを踏まえ、最終的に公募価格を同1.8倍の11万円とした…

ということが問題視されているそうです。

名古屋は再び火の海に – VC一夜漬blog

あっそうか!! HSに頼めば良かったんだ!!

ちなみに最後に発行した予約権の行使価額は133,333円、公募価額は110,000円。
初値は94,000円で今日の終値は49,950円ですが何か?

…いや、何かが間違ってると思うのですが。

名古屋は再び火の海に – VC一夜漬blog

wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

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情報の羅列は「まとめ」なんかではない 金曜日, 3月 30 2007 

また、引用ですが、このあたりを読むと、LBOファンドが上場を目指す理由がわかってくるというか、見えてくるというか。
つまり、住宅バブル崩壊の前兆が見え始めた。

バブル崩壊によるリスクが増大し、景気の見通しが不鮮明に

LBOは、非公開化してからIPOしないと儲からない。

しかし、リスクが高まり、IPOするまで待っているのは危険になってきた。

そこで、LBOファンドそのものをIPOすることで、そういったリスクを回避する

ああアメリカ経済が心配だ – Fifth Edition

別に経済なんぞに詳しくなくとも、ごくごくフツーに読んだだけで2つ目までと3つ目以降とが繋がっていない事は直ぐに分かる。住宅バブルが崩壊すると何故LBOファンドがIPOに走るのか。景気が悪くなれば株式市場も低迷するから、というのであればファンドの中身に限らずLBOファンド自体のIPOも困難となる筈である。これはファンドの中身が不動産関連企業ばっかしという想定でないと因果関係が成立しない。The blackstone GroupのHPを見ると、確かにreal estate groupというのがあるが、他にもPrivate Equity GroupCorporate Debt Groupなどがあり、不動産ばかりではないことが分かる。因みにPrivate Equity Groupの項には「Blackstone has invested in over 100 companies in a variety of industries, geographies and economic environments. 」と記載されている。エントリが参照しているウォールストリート日記にも「LBO部門以外にも巨大な不動産投資ファンドやM&Aアドバイザリーの部門などを有するBlackstone」と書かれてある。もしも参照先以外にそのような情報があるなら、それを紹介した上で、エントリの中でその因果関係を説明しておくべきであろう。そうでないと「まとめ」にはならない。

相変わらず他人のblogの内容をあちこちから引っ張ってきただけの、小学生の夏休みの自由研究程度の内容。「まとめてみようと思います」とか言ってるが、単なる羅列に過ぎずちっともまとまってなどいないし、考察と言えるほどのものもない。「まとめ」をリンクの集合と勘違いしており、借りてきた金融関係用語で何か立派な記事を書いたつもりになっているだけだ。改行だらけのスカスカの文章は、情報をばらばらに転記するだけで自分では何も考えてないことを示している。読みやすいエントリを書くためには改行しよう、とかいう記事がどこかにあったが、むやみやたらと文章を分断しても却って読みにくくなるだけであり、むしろ思考停止を促しかねない。分裂君はこれを意図的にやっているが、この人は無自覚である。というか、自らが思考を停止しているのでそうならざるを得ない。改行などしなくとも、意図が明確となっていれば読みやすい文章は書けるし、まっとうな読み手は即座に意味なく改行された文章の中にある欺瞞に気づく。情報をつまみ食いするだけのU35世代の弊害が、ここに如実に表れている。情報があふれ返っているから、何かひとつのものに集中するといった行為が面倒でならず、斜め読みしか出来ない体質が染み付いている。日本のblogosphereの質がなかなか向上しない要因がここにある。

「独立性のある第三者の評価」のいかがわしさについて 火曜日, 10月 31 2006 

「税務当局から見て「不自然」というだけで寄付金にされても困る」という主題については同意した上で。

Valuationというのは、経済的にはDCF(Discounted Cash Flow)、つまり、その企業が将来的に産み出すキャッシュの現在価値、を中心として価値が決まってくるはずです。
(中略)
そういう場合に重要なのは、一つにはやはり、「独立性のある第三者の評価」じゃないでしょうか。
政治家への資金提供(?)とベンチャー企業のvaluation – isologue

現実には、これがまた当てにならねぇんだ(´Д`;)

評価代を当の企業から貰っている訳だから、実際には「独立性」なんて全然なくてさ、「この値段(株価)でカネ集めっから、そうなるように算定書作っといてね!」なんてケースがざらにある。要するに答えは最初から決まっていて、後からその算出式を都合よくでっちあげろってワケ。

DCFの計算には、割引計算やら資本コストやらといった一見小難しそうなものがてんこ盛りになっているのだが(が実は大したことない)、所詮は仮定に仮定を積み重ねているに過ぎないので、やろうと思えばいくらでも操作できる。

見抜き方は簡単。CAPMを使っているならβ値はどこから持ってきたかとか、ちゃんと加重平均計算しているかとか、根拠のない「未上場リスク」とかで値段を調整していないかとかを確認すればいい。なぁーんの説明もなく、いきなり割引率が設定されていたりとか、資本負債比率を毎期きちんと計算せずに、直近の比率を将来においてもそのまま採用していたりするのは論外(どうせ2,3年後にはIPOを予定してんだろ? だったら資本と負債の割合は大幅に変わるはずだよな)。しかし、そんなものでン百万円もぼったくっている会計士(に限らないが)が世の中にはいっぱいいたりする。いいショーバイだよな。経営者の方も、それによって何億円も調達できるとすれば百万や二百万など痛くも痒くもない。

元々DCFなんて不動産評価に用いられていたもので、賃借料みたいな利益の変動の少ないものを評価するのに適した計算方法なんだ。それを企業の単期利益みたいな様変わりの激しいものに使っちゃあ、過激な算定結果が出てくるのは当たり前。 しかもそれは経営者が薔薇色の未来を頭に描きつつ鉛筆ナメナメ適当に置いた数値だったりするんだから堪らない。1株当たり純資産額が数千円しかないくせに、平気で数十万の株価をつけてきやがる。そういうのに限って計画を達成した試しがない(´Д`;)

つーワケでDCFのバヤイ、「独立性のある第三者の評価」なんて経営者のための言い訳にしかなっていない(ケースもある)し、計算した奴にとっても、その根拠は企業が作成した利益計画にある、という風にちゃんと逃げ道が用意されている、要するに誰も責任を取らなくて済む便利な計算式に過ぎないってこと、ジャンジャン!

(タケシかお前w)

IPO復活か? 土曜日, 9月 30 2006 

Web2.0系企業のExit手段と言えば、すっかり大企業による買収が第一義的にあげられるようになってしまった感がある。ところがどっこい捨てたものではないという主張がVentureBeatに寄せられている。

Finally, there’s another somewhat squishy advantage of the IPO over the buyout. An IPO, though promising nothing, democratizes the chance for success. When a successful start up agrees to an M&A transaction or a private offer, the well-deserving team wins. But when a company goes public, not only does the team win, there is a shot that in the future, customers, partners and random bystanders can share in the victory. Who knows? Maybe some outside the inner circle will use their gains to seed new opportunities.
Why it still makes sense to go Public – VentureBeat

正論過ぎてやや面白みに欠けるものの言っていることは真っ当。
ITバブル後の投資家の不信感や、SOX法による手続きの繁雑化などによって、IPOは敷居の高いものとなってしまったかのように見えるが、前者についてはLiar’s Porker「投資家というものは実に忘れっぽい生き物だ」というセリフが思い起こされるし、後者については買収したほうが上場企業であれば子会社にも法的要請は及ぶので、M&Aがベストの選択というわけでもないことは明らか。

しかし、この記事で取り上げられている2つの銘柄のパフォーマンスを見ると決してGoogleの時のような派手さはなく、まだIPOマンセーとなったわけでもないようだ。

It’s not the answer for every company and not the path of least resistance, but no capitalization option has more impact, potential, flexibility or future opportunity than an IPO. Thanks to healthy early results for Divx (see chart) and perhaps Shutterfly (see chart; it went public at the high end of its projected range), investors may be ready to believe again. That could be good for us all.
Why it still makes sense to go Public – VentureBeat

上場の目的は「単なる金儲け」であるべきだ 月曜日, 9月 25 2006 

一部週刊誌から『Mixiの上場は単なる金儲け目当てだ!!』と言う内容の批判的な記事が出ています。
ネット経営者の人物像を考える、Mixiの上場は『金儲け目当て』だったのか? – FPN

このエントリには記事の内容には触れていないため、「一部週刊誌」が実際にはどんなことを書いていたのかは分からないが、タイトルのみから判断するに「Mixiの上場は単なる金儲け目当てだ!!」のどこが問題なのか、さっぱり分からないww

「金儲け目当て」ったって営利企業なんだから当たり前じゃん。上場によって調達した資金を活用してどんどん金儲けして株主に還元してけばいいだろ。上場の目的が「単なる金儲け」以外のものだったら、それこそ問題だよ。ホリエモンが逮捕されたのは「単なる金儲け」じゃなかったからじゃん。それとも、ひょっとして売出のことを私腹を肥やした云々とか書いてあるのだろうか。上場に際して創業者利潤を得るのはごく普通のこと! 何も問題はない。mixiは違うけど、仮に売出しかしなかった企業(公募増資をしない=会社が資金調達を行わない)があったとしても、継続的に企業価値を高めて株主に還元していくことが出来るならば、やはり上場しても構わないじゃん。

そして敢えて言えば笠原社長は苦労を共にしてきた社員に報いたかったのでしょう。
ネット経営者の人物像を考える、Mixiの上場は『金儲け目当て』だったのか? – FPN

上場したって株式の流動性が高まるだけなんだから(たいていはその結果として価値も上がるが)、それが「社員に報い」るかどうかは微妙。mixiはオプションを大量に発行しているから、その割当先が社員(つーか、正確には従業員)であれば報いたことにはなるけど、なんか前後の文章を見るに、きちんとその辺りを意識して書いているとは思えないんだけどねぇ….。

だからこう言う批判は断じてすべきではありません!!
ネット経営者の人物像を考える、Mixiの上場は『金儲け目当て』だったのか? – FPN

だったら週刊誌の記事の内容を紹介した上で、それのどこが「批判的な記事」なのかを明らかにしなければ駄目でしょ(´Д`;)
タイトルだけで判断すれば全然「批判的」じゃないよwwww
経営者を「草食動物」に例えているのも「彼らは悪い人じゃないよ」って言いたいんだろうけど、単なる印象論に過ぎないことに気付くべき。

いやさぁ、週刊誌の書くことなんて大体想像できるし、この人の擁護論も心情的には分かるんだけど、エントリ自体がヌル過ぎるんだよね(´Д`;)

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“Raising Bull” 木曜日, 9月 14 2006 

SiliconBeatVentureSourceのレポートの内容を伝えている。それによれば、VCにとって現在は、2000年のITバブル崩壊以来の書き入れ時(投資)だそうだ。

Now is the time to go raise your money for your start-up: Venture capitalists valued U.S.-based private companies at a median of $23 million while investing during the second quarter of this year, or $7 million more than the same quarter a year ago.
Best time to raise money since bubble-year 2000 – SiliconBeat

今年第二四半期における非上場企業の平均評価額は23百万ドルで、前年同期比7百万ドルのアップだそう。
サマリーを簡単に訳すと、

  • ヘルス・ケア及び重要な情報技術の分野において評価の上昇が激しい。
  • IT分野におけるM&A並びにヘルス・ケア企業のIPOという、流動性の高まりが評価に影響を及ぼしている。
  • 例えばIT企業の平均買収価格は60.4百万ドルで、ここ6年間でもっと高い。
  • ヘルス・ケア企業の2回目の増資時における平均評価額は31.6百万ドルで、1年前よりも15百万ドル上昇した。レイター・ステージの医療器具企業の評価も最高額60.7百万ドルと、38百万ドルの上昇。
  • IT企業の2回目の増資時における平均評価額は22.5百万ドルで12.3百万ドルの上昇。特に電子機器、情報サービス、半導体の分野において著しい上昇が見られる。

Secound roundで20百万ドルだったものが数年で3倍になるとしたら、素晴らしいIRRが示現するわけで、これならVCが挙ってカネをぶち込むのもよく分かる。Exitの手段も、従来のM&AやIPOに加えて、Kikoのときのようにオークションまで加わってきたとなれば、流動性に問題なし? 盛り上がってきてますねぇ。
但しすべては評価の問題。ITバブルの崩壊は株式市場から始まったが、今度は何が契機となるのか。

※原文では「median」となっている箇所に「平均」という言葉を当てたが、ふさわしくない場合やもっと適切な訳がある場合にはご指摘を。

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2006/9/6 -2 水曜日, 9月 6 2006 

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Don’t use the Market easily. 土曜日, 9月 2 2006 

「予算や好調な業績を考えると、準備期間を延ばさず上場したかった」。八月十八日に新規株式公開(IPO)を果たしたインターネット関連イージーユーズ。選んだ市場は「一年ほど前までは存在を知らなかった」(西沢岳志社長)という札証アンビシャスだ。
試練の新興株市場 IPOブームの裏側 ⑤ – 日本経済新聞 9/2 14面

  • 「予算を考えると」ってのは、公開準備作業にかけるお金なんかないってことですか?
  • 「好調な業績を考えると」ってのは、上場後の業績の先行きに不安でもあるんですか?

……….なんか、ふざけた感じがするんですが。

このイージーユーズって会社、みずほインベスターズでマザーズ狙いだったものをディー・ブレイン+アンビシャスに変更したらしい。どうせ、業績に目立った伸びがないあるいは公開準備がなかなか進まない折に、アンビシャスは緩いですよなんて入れ知恵をした奴がいて、市場変更を申し出たところみずほに難色を示されたので鞍替えした、なんていうパターンではないのか?

監査法人の変更は粉飾を疑った方がいいのと同じで、主幹事証券の変更も何らかの不備を疑った方が良い。しかし記事によれば「主幹事の変更についても開示を義務付けない見通し」であり、これでは投資家は注意の仕様がない。

元引受業務の免許を持つ日本証券会社は、一九九八年の八十二社から、七月末時点で百十六社に拡大した。
上場を熱望する企業が手数料や実績作りを欲して柔軟な審査をする主幹事を選ぶことが頻発すれば、市場全体の審査機能が低下する恐れがある。
試練の新興株市場 IPOブームの裏側 ⑤ – 日本経済新聞 9/2 14面

「柔軟な審査」とはいい言い方だw そして「市場全体の審査機能が低下」した結果、損害を蒙るのは投資家であることはライブドア事件で誰もが認識するところとなり、その後の新興市場の大幅な株価下落を招いた。メディアが取り上げたときには問題そのものがかなり広範囲で示現した後であり、一種の「まとめ」になってしまっていることが多く、本来であれば数年前にこのような特集が組まれてなければいけなかった筈だが、まぁそれは今更言っても仕方がない。

イージーユーズとはどんな会社なのか。

当社ではインターネット情報関連ビジネスを中心に、「豊かな生活」をサポートするプロフェッショナル集団として3つの独自性に富んだサービスを展開。エンドユーザーとなる個人の暮らしや嗜好をつぶさに汲み上げ、確かな成果を生むBtoBtoC(企業と個人の情報の掛け渡し)ビジネスを実践しています。
our business – 株式会社イージーユーズ

とかなんとかわかったようなわかんないようなことを言っているが、具体的な事業内容はインターネットを利用した広告販売、Webサイトの制作・開発等、輸入家具等の販売

決算期 | 売上高 | 経常利益 | 当期利益 | 純資産
2004/03 | 434,384 | 50,721 | 30,372 | 139,415
2005/03 | 448,830 | 58,153 | 60,648 | 200,063
2006/03 | 597,449 | 41,084 | 61,861 | 261,925
(単位 : 千円)
株式会社イージーユーズ – Tokyo IPO

売上は僅かながら伸びているが、経常利益は逆に減少している。これでは強引にでも出ておかないと、いつになったら公開できるのかわからないであろう。Ⅰの部を見ると、Web2.0を表象している「ソリューション事業」(Webサイトの制作・開発等)の売上は100百万円に満たないし、輸入家具等の販売は申請直前期から開始した事業で、収益の嵩上げのために本業とのシナジー効果もなしに付け加えた感が強い。

株式市場を「easy use」するのであれば勘弁して欲しいものだ。

YouTube goes to public? 日曜日, 7月 30 2006 

media mogul summer camp で売り込みに失敗したYouTubeがIPOを考えているそうだ。

Well, when YouTube’s Chad Hurley didn’t get a sweet enough offer from the heads of NBC, News Corp, and other guests at media mogul summer camp, he spun it by hinting that his company might go public.

Yep, YouTube, which is spending over $1 million a month on bandwidth alone, trying to ramp up from $0 to $1 million in monthly direct ad sales, and fighting a rising tide of competitors — YouTube, which isn’t pulling in a profit, says Chad — is thinking about an IPO.

Reader poll: Will YouTube be the first public flameout? – ValleyWag

Market Watch に掲載された CEO Chad Hurley のインタビュー。

“Right now we’re just concentrating on proving the best user experience possible,” Hurley said. “We have no plans to sell.”

As for an initial public offering, Hurley said, “If we have an opportunity to go public in the future that would be very exciting for us.”

No doubt YouTube would have to follow the Google model of achieving profitability before it stages an IPO in the face of tough market conditions nowadays, but for now the company isn’t in the black, Hurley admits.

News sites reported that during the AlwaysOn Conference, Hurley said the company is experimenting with banner and text-based advertising as it generates revenue and builds out its sales team.

Wall Street Journal reporter Kara Swisher asked if YouTube was profitable, and Hurley replied, “Not right now,” according to a press report.

After inking a pact with NBC, Hurley said YouTube is now in discussions with TV networks, movie studios and record labels for more content.

YouTube CEO: IPO would be ‘exciting’ – Market Watch

  • 「身売りは考えていない。」
  • 「将来的に上場できるとすれば、結構なことだ。」
  • 昨今の市場に状況を鑑みれば、Googleのように上場前に収益を確保している必要があることは間違いないが、YouTubeは黒字化しておらず、それはHurley も認めている。
  • AlwaysOn Conferenceに関する他のニュース・ソースによれば、YouTubeはテキスト・ベースの広告収入とセールス部門の設置を検討している。
  • NBCとの契約後も、YouTubeは他のテレビ局や映画会社、レコード会社との折衝を継続している。

「お目付け役」はどれだけ注視されているのか? 金曜日, 6月 23 2006 

本日(6/23)の日経金融新聞20面の「スクランブル」欄は面白い記事だった。専門知識がなければ分からないような内容ではないので、ネットでも公開すればいいのにと思うが、あいにく日経金融のサイトには要約すらない。というか、現時点ではいまだに前日である6/22の記事一覧が掲載されている有様で、日経金融は殆どネットには興味がないようである。

それはともかく、記事の見出しは「新興株『目付け役で』で明暗 – 投資家『質』の見極め重視」というもの。新興市場が低迷を続けていることから、特に2000年に公開を果たした銘柄に絞って市場、主幹事証券、監査法人(この3者が日経金融の言う「お目付け役」)別に騰落率を分析したところ、ジャスダック(現在のヘラクレス)、野村、トーマツの銘柄の上昇率が高かったというもの。

ジャスダックは孫さんが米国NASDAQを日本に呼んできて大証と「結婚」させたようなものだったが、その後夫婦は不仲となり、「嫁」がアメリカに帰ってしまったので、仕方なく名前をヘラクレスに変えて立て直しを図ったものだ。そういう事情が関係しているのかいないのか、記事は「ジャスダックのパフォーマンスが良い」ではなく、「Mothersが酷い」という書き方になっている。

市場別で見ると、不調が目立つのがマザーズ銘柄。ジャスダック銘柄が初値から平均2.2倍に上昇しているのに対し、マザーズはわずか1%高にとどまる。全27銘柄のうち16銘柄が初値割れの状態だ。元社長が逮捕された旧リキッドオーディオ・ジャパン、粉飾決算で上場廃止になったアソシエント・テクノロジー、そしてライブドアと、絶え間ない不祥事が背景にある。

主幹事証券は野村銘柄が圧倒的だった。

全157社は公募価格から平均89%上昇しているが、「野村銘柄」は2.7倍の上昇と平均を大幅に上回る。反面、「大和銘柄」や「日興銘柄」はアンダーパフォームの状態だ。

一般に、上場予備軍に対する指導や審査体制は主幹事証券の営業力に比例する。

(さらに…)