「アテンション・エコノミー」についてもう少しお勉強してみたが、これって単に俺が知らなかっただけで別に新しい言葉でもないでもなかったのねw
ところが、Googleなどの検索エンジンはフィルタという「引き算」機能よりもむしろアテンションナビゲータという足し算機能について期待されるようになってきた。フィルタとは本来、ユーザーが望まない情報を自動的に捨てて快適なネットライフを送るようにするための技術だが、人々がフィルタへの依存度を高めるようになると、むしろユーザーのアテンションそのものを誘導するための隠れた権力として作用するようになる。実際、Googleのビジネス的な成功はこの「足し算」機能の魅力によってもたらされている。それがアテンション・エコノミーの本質だからだ。
展望2006:アテンション・エコノミーの本格化 – C|Net Japan
確かに検索結果の上位に表示されることの効果は大きいから、「アテンションナビゲータ」という表現は分かりやすいよな。但しGoogleの収益源は広告収入だから、Monetizeにはもう一工夫いるということか?
こちらの方も既に3月に同じような調べものをされておられた。
ちょうどこんな記事があったけど、てはな内でいい具合にアテンションなんたらに発展しそうなのが「はてなブックマーク」。
逆輸入されるはてなブックマーク」にみるはてなの危機とチャンス
「アテンション・エコノミー」とはなんぞや – Heartlogic
SBMも「アテンションナビゲータ」だよなー。でもこれもそれ自体では収益を生んでいない。
上記引用中の「こんな記事」はこれ。
たぶん、3月7日あたりにどこかの有名サイトで紹介されたりしたんだろう。はてなブックマークの中には昔から蓄えられていたエントリが、いわば外部のサイトから逆輸入されて、ブックマーク件数が爆発的に増えたわけだ。
「逆輸入されるはてなブックマーク」にみるはてなの危機とチャンス – sshi.Continual
当初は機能していなかった「アテンションナビゲータ」が、外部の力によって活性化したという例か。この場合は外部である「どこかの有名サイト」の方が機能が高かったと言うことだな。
アテンションエコノミーと言うと、アクセンチュアのDavenportとBeckが書いた「アテンション!(原題: The Attention Economy)」という本で有名になりましたが、このお話の中に出てくるのは、むしろその原典であるMichael Goldhaber(個人Webサイトはwell.com!)のThe Attention Economy: The Natural Economy of the Netのほうがしっくり来るようなお話かもしれません。
ブログ、グーグル、アテンション [情報の”民主”化とメディア] – higuchi.com
原典紹介。この記事なんか昨年の9月だわ(´Д`;)
アクセンチュアかぁ…。なんかこの手の話させると何時間でも喋りそうだよな。書籍情報には2001年4月27日発行って書いてある。そんな前の話だったのか。そして下ネタはこっちらしいが、今は全部読むのはちょっとしんどいのでさわりだけ。
The attention economy brings with it its own kind of wealth, its own class divisions – stars vs. fans – and its own forms of property, all of which make it incompatible with the industrial-money-market based economy it bids fair to replace. Success will come to those who best accommodate to this new reality.
The Attention Economy: The Natural Economy of the Net
スターとファンねぇ….。この程度のことなら、ずっと前に岡田斗司夫が「ぼくらの洗脳社会」で同じようなことを述べていたような気がするけど。
熱狂的なファンを持つAPPLE社も同じです。伝説に包まれた強烈なキャラクター「二人のスティーブ」ことワガママ・ジョブズと菜食主義者・ウォズニアクが作った小さなコンピューター、アップル・は瞬く間に世界を変えました。(略)
これらの神々が「理想のコンピューターを創るために、巨人IBMに戦いを挑む」わけです。熱心なアップル・ユーザーは「エヴァンジェリスト(伝道者)」と呼ばれた程です。
いまだにAPPLE社のユーザーは故障の多く、割高感の拭えないマッキントッシュ・コンピューターを嬉々として使っています。(ファンやAPPLEの方、気を悪くされたら謝ります。私自身もAPPLEユーザーなんですが・・)
SONYやAPPLEの最大の資産は、その技術力ではなく、そのイメージなのです。
ぼくらの洗脳社会
こちらの方はPublishing 2.0 の記事を紹介している。
この分析では、テクノロジ産業がメディア産業に取って代わる結果、メディアのディストリビューションチャネルが大幅に増え、つまりメディアの供給が増え過ぎ、消費側の関心・注意力を上回ってしまう、いわゆる アテンション・エコノミー の状態が重要な意味を持って語られている。
旧来のメディアでは視聴者を集めて視聴率を高めることが金を生んでいた。Web 2.0 の世界ではいとも簡単に視聴者を集めることができる。だから儲かることは間違いない、というわけで、資金が流れ込み、バブルを生む。
しかしそれは間違った予測だ、と Scott Karp は批判する。アテンション・エコノミーの世界では、旧来のメディアのような儲け方は通用しない。重要なのはアテンションを集めることであり、視聴者の数を揃えても意味がない。結局儲かるのは AdSense の胴元である Google だけ。Web 2.0 に投資する連中はその点をわかっていない、との指摘だ。
アテンション・エコノミーと Bubble 2.0 – Rauru Blog
同じBlog内の別の書き手さんによるまとめ。
Union Square Ventures での Umair Haque の発言がきっかけになって、Attention Saturation の問題があちこちで騒がれているようです。その言わんとしているところは、情報が氾濫すると、人々の情報に対する関心/注意力が低下してしまうというものです。注意力が飽和してしまうという意味で Attention Saturation と呼ばれています。
これはもともと認知心理学者の Herbert Simon が1971年に言った言葉らしいのですが、RSS Feed を山のように購読している人達から改めて大きな頷きをもって迎えられたようです。一説によると、注意力が飽和する平均 Feed 数は 52.3 とかいう数字も計算されたとか。
(略)
そこから思ったのですが、ultraviolet が前から警鐘を鳴らしている便利さが人間を退化させる現象は、実はこの Attention Saturation / Looming Attention に絡んでくるのではないでしょうかね?
便利さが人間を退化させると言うより、便利さによって情報供給が人間の関心総量を超えるようになり、脳が悲鳴を上げているのでは?
自分で様々なものに関心を向けることを諦め、集団知のようなネットワークの向う側の存在に頼ろうとするのも、脳が助けを求めていることの現れだったりしないでしょうか?
Attention Saturation – Rauru Blog
衛星放送やケーブルTVの普及によりチャンネル数が増えると、人は却ってごく少数のチャンネルしか見なくなるものだ式の話は昔からあったけどこれだったんですかね? どちらにしろ新鮮味はない。
これに対する「解」。
So let’s focus on the user. What the user needs is help allocating a finite amount of attention. And the solution needs to be personal ― perfectly tailored to each user’s needs. The user needs a personal killer app.
Bubble 2.0 Is a Bubble in Media – Publishing 2.0
まぁ確かにそんなものがあればKiller Appになるんだろうけど、一時の「関心」の量には限界があっても、その「関心」は時と共に移り変わっていくことからすると限界はないとも言えるし、また機械的な処理も難しそう。
食品業界において、供給が増えすぎた結果、顧客の注意を惹くために、何らかの「認知手段」ここでは広告、マーケティングなどが重要になったわけでつまり「食品を売るためには広告・マーケが重要になる局面が現出した」わけですね。
これからは、上記のような理由からメディア業界でも「情報を売るためには情報のための広告・マーケが必要な局面が現出した」といえるわけでしょう。
ははは。
なんか、情報のために情報を生み出すって、ナンダカおかしな話だなーと本日は思いました。
アテンションエコノミーとかについて思うこと – FIFTH EDITION
TVやラジオ等の既存メディアによる番宣やレコード・書籍・映画等の宣伝も情報のための情報だったよなぁ。ネットでは検索エンジンやSBMや、まとめサイトなんかもその役割を果たしていることになるのかな?
疲れた割には目新しい発見はなかったなぁ。
結局、kajougenronさんの比喩が一番面白かったな…。
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